株式投資家であれば誰もが手にしたいテンバガー銘柄。
ここではビジネスモデルが面白い、商品/サービスが特徴的など、将来的にテンバガー銘柄のように株価爆上げの可能性を秘めている銘柄をツカサの独断と偏見で紹介していきます。
今回はライトアップ(6580)を紹介します。
投資は自己責任でお願いします!
【総評】ライトアップ(6580)
「全国、全ての中小企業を黒字にする」を使命・ミッションとして事業を展開している会社です(ターゲットは経営が上手く行っていない中小・零細企業)。
社長がIR活動に積極的であり、競合がいないビジネスモデルである点が大変興味深いところです。
ここ直近の決算発表でネガティブな発表により株価が暴落、期待値が良い感じに剥がれ落ちてきています。
もともと興味があった会社だったので、このタイミングで企業分析を行ってみました。
総合評価:19/20
社長:★★★★★
市場性:★★★★
競合優位性:★★★★★
独自性:★★★★★
会社概要
ライトアップ(6580)
- 上場年月:2018年6月(会社設立2003年9月)
- 本社:東京都渋谷区
- 従業員数:112名、平均年齢32.3歳、平均年収462万円
- 監査法人:ハイビスカス
事業内容
「全国、全ての中小企業を黒字化する」ために、IT支援を軸に事業を展開しています。
大きく下記2つの事業を展開しており、売上の90%近くはDXソリューション事業です。
- DXソリューション事業(下記3つが主力サービス)
- 助成金自動診断ツール「Jシステム」
- 補助金・助成金活用支援「Jコンサルティング」
- ITツールの共同開発・共同仕入れ「JDネットワーク」
- コンテンツ事業(Web・メール関連の企画・制作受託)


DXソリューション事業は下記3つが主力サービスであり、それぞれが連携して「全国、全ての中小企業」へサービスが提供される仕組みになっています。

また最近ではJコンサルをSaaS化(サブスク化)しており、Jシステムとの親和性を高め、離脱を防ぐ仕組みも作っています。
さらに新規事業として2022年6月1日よりスモールBPOサービスをスタートしています。
スモールBPOとは、秘書・アシスタント業務に加え、DX導入コンサルタント業務を受け持つ人材(クラウドワーカー)の提供サービスです。
今後はスモールBPOサービスの成長も併せて期待が持てそうです。

ライトアップはビジネスモデルが複雑です。
下記2つの動画を視聴してから決算説明会資料に目を通すとライトアップ社のビジネスモデルの理解が進むかと思います。
たった二年で高利益企業に変貌!期待のDX企業の社長インタビュー!前半 – YouTube
中小企業向けの助成金・補助金受給支援サービスなどを提供!ライトアップ白石崇社長(1/3)|JSC Vol.198 – YouTube
具体的な中期経営計画は会社として公開をしていませんが、2025年3月期売上100億円を目指しています。
定性分析
外部環境(マーケット状況、競合など)
ターゲットとなる顧客は全国、全ての中小企業であり、下図の通り300万社を超えます。
まだまだ顧客の多くが公的支援の利用実績は低いようで、潜在的市場は大きいようです。

さらにコロナが追い風となりデジタル化優先度が上昇し、厚労省の助成金予算の追加も決定しており、ターゲット市場は拡大しています。

特に面白いのが社長も言っていますが、競合が存在しないという点です。
その理由は、ライトアップがターゲットにしている赤字×中小・零細企業は普通の会社であればターゲットにしないからです。
その上で、ライトアップのユニークなビジネスモデルがあるからこそ、競合を寄せ付けない競合優位性を確立出来ているのだと思います。
内部環境(経営者、ビジネス優位性など)
経営者
社長は白石 崇さんという方です。
個人的な印象としては、冷静・論理的・志高いと、大変すばらしい社長さんだと感じました。
特に印象的なのが、下記インタビューで「中小企業が国からお金を借りても利益を2倍上げれば経済が循環してGDPが増える。そうすれば国の国家予算が2倍になり日本の課題を解決出来る。それをライトアップは企業の収益を上げるという形で貢献したい」と言っています。
このビジョンの大きさに感銘を受け、この企業を応援したい!と思いました。
たった二年で高利益企業に変貌!期待のDX企業の社長インタビュー!前半 – YouTube
また、社長は事業を考えるだけではなく自分でシステムを作ってしまうノウハウもお持ちで、それを実践しています(知恵を出し、その知恵を形にするのが好きとインタビューの中でも言われていました)。
さらには、毎日IR活動に1時間の時間を作っているようで、これも好印象です。
IRに力を入れている企業は株価を上げたいという想いがありますので、個人投資家に対してフレンドリーな印象です。
社長の発言からは株価が上がるであろう期待感のコメントしかありませんでした。
ビジネス優位性
競合他社が存在していない時点でビジネス優位性は確立されています。
「競合他社が」というより、中小・零細企業の社長に対してどこまでライトアップというビジネスを理解してもらい、賛同してもらえるか?がポイントな気がします。
特に地方の中小企業となると、頑固経営者など難しい経営者が多く存在している印象です。
その他の評価ポイント
- 下記の通り主要KPIを月次で公表している点も個人投資家に対してフレンドリーで、尚且つ自信の表れだと思うので高く評価できます。

少し気になるポイント
- 社長、役員の紹介がほぼ無い(白石社長は名前を検索すれば簡単に出てきますが、その他役員の方がどんな人なのか全然わかりません)
定量分析
成長性
売上高は下記の通り順調に推移していますが、2023年3月期1Q決算発表では売上/利益ともに減少してしまっています。
その理由として地方経済低迷の影響によるJDネットおよびJシステムの販売が低調に推移したと上げています。
これまで順調に売上/利益ともに上げてきていた企業ですので、少し注視したいと思います。

ライトアップは2025年に売上高100億円の達成を目指しているよ
収益性
25%を超える高い収益性を誇っており、まだまだ先行投資費用を差し引いたとしても利益率を上げる余地はありそうです。
赤字の中小・零細企業をターゲットにしている中、この利益率の高さは本当に凄いことだと思います。
また、どれだけ効率的に利益を上げることが出来ているか?を見るための指標であるROEとROAを見てみるとかなり凄いです。
- ROE:26.8%
- ROA:19.3%

安全性
財務的な安全性に関しては問題なしです。
- 自己資本比率:78.6%
- 流動比率:442.6%
- 固定比率:7.4%
- D/Eレシオ:0倍
システムを自社で開発できる能力と、IT企業がゆえの財務状態の安全性の高さが見受けられます。
このあたりの財務諸表の読み方について詳しく知りたい方はブログで紹介しているので読んでみてください。




割安性
割安性の観点からはPERとPSRを見てみたいと思います(2022年8月19日現在)。
- PER:9.68倍
- PSR:1.65倍
上場してからPERの平均は20~38倍であることや、マザーズに上場している会社という点で考えると、現状のPER・PSRは割安であると判断できます。
PER、PSRの定義についてもブログで紹介していますので、詳しく知りたい方は読んでみてください。


理論株価
私の場合はDCF法を使った理論株価を求める手法を使っていますが、計算すると下記の通り導き出されます。
- 3,044円
2022年8月19日時点の株価が1,150円ですので割安です。
投資戦略
今後ライトアップの株価が上昇していくかどうかの判断としては、下記の主要KPIが順調に積み上がって行っているかを見て行くことがポイントです。
特に注目すべきKPIは「BPO新規申込み社数」だと思います!

それでは、ライトアップのの天国ケースと、地獄ケースの2つを見て、投資戦略を考えてみたいと思います。
2025年3月期決算で売上高100億円を達成し、営業利益率20%以上を確保(営業利益20億)できた場合です。
この場合、1株益は260円になると想定。
1株益260円の場合、PER8倍・15倍・40倍でそれぞれ下記のような株価になります。
- PER8倍:2,080円
- PER15倍:3,900円
- PER40倍:10,400円
マザーズ銘柄なので、順調に行けばPER40倍(株価10,400円)は期待できそうなので、そうなればテンバガーの達成ですね!
売上高が現状維持もしくは微増(売上高50億円、営業利益10億円で計算)で、PERは8倍~15倍で計算します。
この場合、1株益は130円になると想定
1株益130円の場合、PER8倍・15倍でそれぞれ下記のような株価になります。
- PER8倍:1,040円
- PER15倍:1,950円
地獄ケースで計算したとしても、収益構造が崩れない限り(20%くらいは営業利益率を確保できている状態)、いまの株価と比較しても暴落はあり得ない計算になります。
投資は自己責任でお願いします!
まとめ
ライトアップについてまとめてみました。
「全国、全ての中小企業を黒字化する」「企業の収益を上げ、日本の復活に貢献する」という大きなビジョンを追いかけ、ビジネスを展開しているライトアップはとても夢のある企業だと思いました。
白石社長がいる限り、色々な面白いビジネスを発想され、展開していくんだろうなーと思っています。
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