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「出来高」と株価の関係性を解説|投資判断のポイントとは?

出来高が増えてきたから”買い”のタイミングだとか、出来高が少ないと”不人気”だから待ちのタイミングだとか聞いたことがあるのではないでしょうか?

この先の内容は「出来高」について下記の疑問を解消する内容になっています。

  • 出来高って何のことか知りたい
  • 株式の売買を「出来高」を参考にすることは出来るの?
  • 出来高を参考にした投資判断のポイントが知りたい
ツカサ

先に結論から言ってしまうけど、出来高で100%投資判断は出来ません。

しかし、出来高を見ることで投資判断になるヒントを得ることが出来ます

本日は出来高と株価の関係性、及び投資判断のポイントについて解説していきます。

「出来高」と株価の関係性を解説|投資判断のポイントとは?

投資の世界ではこのような格言があります。

出来高は株価に先行する

こちらの格言の意味するところは、株価の動きよりも先に出来高の増減があるということです。

例えば、出来高が増え始めてから遅れて株価が上昇して行くようなケースです。

つまり、出来高の増加を見れば株価が上昇するヒントを見つけることができるのです。

逆もしかりで、出来高の減少にも株式売買のヒントは隠れています。

出来高と株価の関係性、投資判断のポイントについて下記4つのポイントが特徴的ですので順番に解説していきます。

出来高『急増』と株価の関係性:投資判断のポイント

出来高の『急増』はその企業に何かが起こったということを表しています。

出来高が『急増』して、株価が上昇した場合は、その企業に何かポジティブな発表があった可能性が高いです。

逆に、出来高が『急増』して、株価が下落した場合は、その企業に何かネガティブな発表があった可能性が高いです。

  • 出来高『急増』で株価上昇→企業にとってポジティブな何かが発生
  • 出来高『急増』で株価下降→企業にとってネガティブな何かが発生
投資判断ポイント

出来高『急増』かつ、株価上昇 or 下落の場合

今後さらに株価が伸び続ける or 下がり続ける可能性もあるが、一時的なことも多い。

株価が伸び続ければ、大きな利益を確保できる可能性もあるが、株価急騰局面で購入してしまうと高値掴みをしてしまう危険性も

デイトレードであれば良いかもしれませんが、私の場合はこの様な急激な変化の場合は手を出しづらいです。

出来高「増加」と株価の関係性:投資判断のポイント

出来高が「増加」している場合は、その企業に人気が集まってきている可能性が高いです。

投資判断ポイント

株価が上昇しながら出来高が増加

今後も株価が上昇し続ける可能性が高いので「買い」のサイン

株価が安値圏に停滞しており、出来高は増加している

株価は下げ止まり、上昇トレンドに転換する可能性がある

出来高「増加」の上記2パターンの場合は、「買い」の選択肢になると思います。

出来高「減少」と株価の関係性:投資判断のポイント

出来高が「減少」している場合は、その企業の人気が弱くなっている可能性が高いです。

投資判断ポイント

株価が上昇しながら出来高が減少

これ以上の上昇トレンドは見込めず天井を付ける可能性がある。

もしかするとこの先、株価下落の可能性も。

株価が下降トレンドであり、出来高が減少している

今後さらに下降トレンドが続く可能性がある。

この場合は「(もし利益が出ていれば)利益確定」「損切り」「売り」の選択を。

一般的によく言われる出来高の売買サイン

出来高と株価の関係性で一般的によく言われる出来高の売買サインとして下記2つのパターンがあります。

  1. 安値圏で出来高が増えたら「買い」のサイン
  2. 高値圏で出来高が増えたら「売り」のサイン

まず理由についてそれぞれ解説していきます。

投資判断ポイント

①安値圏で出来高が増えたら「買い」のサイン

株価が安値圏で、しかも出来高の少ない不人気の株式に対して「注目」が集まってきている状態(取引が活発になっている)です。

取引が活発になっている理由を企業IR情報などから見ておく必要はありますが、ポジティブな内容であれば、取引が活発になっている=買いたい人が増えている可能性が高く、今後株価が上昇していく可能性があります。

➁高値圏で出来高が増えたら「売り」のサイン

高値圏で出来高が増えたということは「利益確定の売り」も活発になっている可能性が高いです。

「利益確定の売り」が増えたということは、市場参加者が株価が高すぎるかも?という心理状態になっている可能性もあり、今後株価が下落していく可能性があります。

【基礎講座】出来高の意味することについて解説します

出来高とは、株式の売買が成立した数量(株数)のことです。

つまり、出来高が増えれば増えるほど、株式の取引が活発になっていることを指し、その企業に注目(人気)が集まっていると言えます。

ちなみに、出来高とは下図の赤枠の部分を示しています。

楽天証券_ブリッジインターナショナル(7039)

横軸の目盛の読み方について解説すると、下記のような意味を指しています。

  • K:キロと読み1,000(千)を意味する
  • M:メガと読み1,000,000(百万)を意味する

出来高について、最後に重要ポイントと注意ポイントをまとめます。

出来高が増加するということは「その企業(株式)に人気が出ている」ということです。

つまり、その企業に何かしら起こった可能性(ポジティブでもネガティブでも)が高いと言えます。

例えば、新規事業の立ち上げや、新製品の発表、業績修正(上方修正、下方修正)などです。

出来高が増加した時は、是非とも企業IR情報や、Twitterなどから、その企業の情報を探ってみることが大事です。

出来高が少ない場合は「流動性」リスクに注意しましょう。

時価総額が100億以上であれば気にする必要はないと思いますが、時価総額が数十億円の小さな会社の場合は、出来高が少なく流動性リスクがある企業もあります。

なぜかというと、出来高が少ない=取引量が少ないということで、株式を買いたい時に買えない/売りたい時に売れない可能性があるからです。

【実践】ケーススタディを使った「出来高」と投資判断のポイント

2つのケーススタディを使って「出来高」と投資判断のポイントについて、私の大好きな企業の一つであるブリッジインターナショナルを使って見ていきたいと思います。

まず1つ目ですが、赤枠で囲っている部分を見て頂きたいと思います。

楽天証券_ブリッジインターナショナル(7039)

赤枠を見て頂くと、出来高が増加している(人気が集まっている)のが良くわかると思います。

では、なぜ出来高が増加している(人気が集まっているのか)のでしょうか?

その理由を2021年8月24日、25日の情報を企業IR情報から読み解いてみましょう。

以下の発表がされていますね。

  • 青山学院大学の「女性のためのITリカレント教育プログラム」にIT基礎科目群(必須)担当として参画
  • 株式立会外分売実施及び、終了

また、8月23日の市場終了後に四半期決算の報告があり、決算内容も良かったので翌日の8月24日に出来高が増加していることが予想できます。

全てにおいてプラスの内容ですので、その後株価は上昇していますね。

では続いて2つ目のケーススタディを見てみましょう。

こちらも赤枠で囲っている部分を見てください。

楽天証券_ブリッジインターナショナル(7039)

赤枠を見て頂くと出来高が急増して、出来高が多い状態が数日続いていますね。

2021年11月12日に出来高が急増していますが、これは四半期決算の内容が良かったことが売買を活発にしていると思います。

8月23日の決算に加え、11月12日の発表内容も良かったこと、さらには本決算の内容も良いだろうという期待値も乗っかった可能性があります。

その後一気に人気が高まり、株価が上昇しています。

如何でしょうか?

出来高が増加している背景には何かしらの要因が隠れているのです。

まとめ

出来高と株価の関係性と、投資判断のポイントについてまとめてみました。

出来高を見ることでその企業に「何が起こっているのか?」に気付くヒントになります。

ポジティブな情報であれば良い方向に人気が集まり、ネガティブな情報であれば悪い方向に人気が集まります。

まずは出来高が増えたら企業で何が起こっているんだろう?と調べる事から始めてみてください。