株式投資家であれば誰もが手にしたいテンバガー銘柄。
ここではビジネスモデルが面白い、商品/サービスが特徴的など、将来的にテンバガー銘柄のように株価爆上げの可能性を秘めている銘柄をツカサの独断と偏見で紹介していきます。
今回はさくらさくプラス(7097)を紹介します。
投資は自己責任でお願いします!
【総評】さくらさくプラス(7097)
首都圏を中心とした認可保育園の運営がメイン事業であり、その他子育てに関する周辺事業も行っている会社です。
社長がもともと不動産業界の出身ということもあり、不動産の強みを活かして保育園の開設を行っているのが面白いです。
着実に保育園の数が増えて行けば、売上・利益ともに伸びていきますので、株価の伸びも期待できる分かりやすいビジネスモデルです。
総合評価:14/20
社長:★★★★
市場性:★★★
競合優位性:★★★
独自性:★★★★
会社概要
さくらさくプラス(7097)
- 上場年月:2020年10月(会社設立2017年8月)
- 本社:東京都千代田区
- 従業員数:連結1374名、単体26名、平均年齢41.2歳、平均年収661万円
- 監査法人:東海会計社
事業内容
保育所「さくらさくみらい」を運営する子会社さくらさくみらいを中軸に、子ども・子育て支援事業(認可保育所、小規模認可保育所、東京都認証保育所)、進学塾運営、不動産開発を営んでいます。
保育所はベトナムにも開設しており、中期計画の中には海外展開の内容も記載されています。

連結子会社の売上構成比が公開されていないですが、売上の90%以上はさくらさくみらいの保育サービスだと予想します。
保育園の開設数が増えて行けば行くほど、比例して売上・利益が増えていきますので、株価上昇がとても分かりやすいビジネスモデルだと思います。
2022年9月9日の2022年7月期決算説明会にて、グローバルキッズ COMPANY(6189)と2022年4月より経営統合をすると発表されました。
経営統合により、国内最大級の保育事業者になり、中軸の「さくらさくみらい」の利用者数増加と、保育周辺事業とのシナジー効果を狙っています。
ただ、経営統合の発表は直近である為、まだまだ経営統合による影響度はかなり不透明感が漂っています。
時価総額はグローバルキッズ COMPANYの方が大きいので、「対等な精神に則った経営統合」と発表していますが、実際のところは分かりません。
定性分析
外部環境(マーケット状況、競合など)
市場環境は良いとは言えません。
その理由としては少子化のあおりを受け、そもそもの保育所を利用するユーザーの将来的な減少と、待機児童が減ってきていることによる市場規模の縮小です。
ただし、隠れ待機児童は依然として高水準であるという事で、まだまだ市場性はありそうです(正直なところ、市場が伸びている方が良いですが…)。
市場性は少し弱いとは思いますが、直近では子ども家庭庁の発足などの政策絡みのマネーの動きは期待出来そうです。

対競合という視点で見た場合に、保育所サービスはかなりの激戦です。
保育所が対競合の観点で差別化戦略を行うというのは、かなりキツイです。
ただ、社長がもともと不動産業界出身者という事もあり、保育所を開設する場所については、競合よりも優位に押さえることが出来るというのは強みだと思います。
また、厳しい環境下だからこそ、グローバルキッズ COMPANYと経営統合はシナジー効果を生み出し、対競合よりも高い競争力を生み出すという意味でも期待は出来ます。
内部環境(経営者、ビジネス優位性など)
経営者
社長は西尾 義隆さんという方です。
もともと日本アセットマーケティング(株)で不動産業務に携わられており、その当時の同僚であった中山 隆志さん(現副社長)と一緒に起業されています。
起業した背景として、同僚が「保育所が足りなくて、子どもが預けられず、復職出来ない」という不のニーズに気付いたからという事でした。
なぜ起業を決断したのか?上場までの道のりなど分かりやすくまとめられているので、興味がある方は読んでみてください。
不動産経験を活かした保育事業で地域社会のハブに〜さくらさくプラス西尾義隆社長&中山隆志副社長|インタビュー・コラム|経営ハッカー (freee.co.jp)
ビジネス優位性
不動産会社が行う保育事業という観点で見ると、ビジネス優位性はありそうです(立地場所は良い)。
また、保育事業を軸として、保育周辺事業へのユーザー移動なども考えており、普通の保育園とは違うビジネスを展開しています。
少し気になるポイント
- 少子高齢化による市場縮小
- グローバルキッズ COMPANYと経営統合による影響度が未知数
定量分析
成長性
売上高は下記の通り順調に推移しています。
ただし、対前年比の伸び率が年々縮小傾向(58.9%→48%→31.1%→19.9%)なのが、少し気になるポイントです。

収益性
基本的に不動産事業というだけあって、利益率はかなり低めです。
2022年7月期決算説明会資料にて、営業利益が-95.5%減となっていますが、その背景としては計画していた保育サービス周辺事業の不動産売却218百万を特別利益に計上したためと記載されています。
さらには保育所のサービス質向上に伴う職員の増加であったり、物価高によるコスト増の影響もあるようです。
また、どれだけ効率的に利益を上げることが出来ているか?を見るための指標であるROEとROAは市場平均通りの値です。
- ROE:8.2%
- ROA:2.94%

安全性
財務の安全性は少し不安が残るような内容ではありますが、不動産事業であるがゆえに、妥当な財務状況だと思います。
- 自己資本比率:31.8%
- 流動比率:217%
- 固定比率:217%
- D/Eレシオ:1.27倍




割安性
割安性の観点からはPERとPSRを見てみたいと思います(2022年9月16日現在)。
- PER:6.89倍
- PSR:0.35倍
不動産業界自体のPERはもともとが低いですが、2022年8月時点の不動産×マザーズ銘柄の単純PERは約18倍ですので、かなり割安だと思います。
PER、PSRの定義についてもブログで紹介していますので、詳しく知りたい方は読んでみてください。


理論株価
私の場合はDCF法を使った理論株価を求める手法を使っていますが、計算すると下記の通り導き出されます。
- 75円
2022年9月16日時点の株価が970円ですので割高です。
投資戦略
今後さくらさくプラスの株価が上昇していくかどうかの判断基準としては、保育所「さくらさくみらい」の開設数です。
さらにはグローバルキッズ COMPANYとの経営統合により、保育周辺事業の利益が向上していくか?がポイントになってきます。
今回、理論株価の計算が上手く機能できなかったので、正直投資戦略を立てるのは難しいというのが私の結論です(すみません…)
したがって、天国ケース/地獄ケースと分けずに、どういうタイミングになれば売買を検討するか?という視点に述べさせていただきます。
私がさくらさくプラスに投資するとすれば過去のPERとの比較や、一般的なグロース×不動産のPERとの比較で投資を検討します。
過去 or グロース×不動産の一般的なPERと比較して、割安であればさくらさくプラスの株価を買ってみて、10~20%の上下で利確もしくは損切りを繰り返すのがベターな戦略かと思います。
- 過去のPER平均:9.15倍~14.32倍
- グロース×不動産の一般的なPER:約18倍
投資は自己責任でお願いします!
まとめ
さくらさくプラスについてまとめみました。
正直、企業価値を上手く導けなかったので、投資判断が難しいというのは正直な感想です。
投資はせず、この分析結果が当たるかどうかを今後ウォッチしていく銘柄にしたいと思います。
ファンダメンタルズ分析が出来るようになりたいならここ!
ツカサが勉強している投資の学校です。
