ROEとROAをどのように投資判断に利用すれば良いか分からない人は多いのではないでしょうか?
ROEは聞いたことあるけど、ROAとの違いって何なの?
ROEとROAを知ると何がわかるの?
カブ太郎くん、今日も質問ありがとう!
今日はROEとROAの違いについて分かりやすく解説するね!
実は両方をしっかり理解しておくことが大事なんだ。
【解説】ROEとROAの違いを知る必要性について
ROE/ROAともに、会社の資本を利益を出すために効率よく使えているかを判断するのに有効な指標です。
ただ、その内容がROEとROAで少し意味合いが変わってきます。
- ROEは私たち投資家が投資した資本(自己資本)を、利益を出す為にどれだけ効率よく使えているかを見る指標
- ROAは会社の持っている全ての資産(総資産)を、利益を出す為にどれだけ効率よく使えているかを見る指標
自己資本と、総資産について貸借対照表で示すと下記図解のとおりです。

なぜ両方を理解しておく必要があるのか?というと、ROEを見るだけでは見落としてしまう会社の「借金」状況をROAで把握することが出来るからです。
特に小型株のような新興企業は、財務レバレッジ(お金を借りて投資をすることで将来的な利益を出して行く)をかけて事業を大きくしようとする傾向があります。
ですので小型株投資の場合は、必ずROE/ROAと両方をチェックすることが大事です。
ROEについてさらに詳細を知りたいという方はこちらをご覧ください。

【納得】ROEとROAから分かることを”計算式”から読み解く
なぜROAを見るとROEでは分からない会社の借金体質を知ることが出来るのでしょうか?
それは、ROEとROAの計算式から読み解くことが出来ます。
- ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100
- ROA(%)=当期純利益÷総資産×100
それぞれを分解するとこんな感じで説明できます。
ROE/ROAの計算式を分解する

それぞれの分解式から言えること

以上の図解を見て頂くとご理解いただけると思いますが、
ROEを上げるためには売上高利益率、総資産回転率、財務レバレッジの3点を高める必要があります。
それに対し、ROAはを上げるためには売上高利益率、総資産回転率の2点だけを高めるだけで大丈夫です。
つまり、何が言いたいかというと、ROEが高い伸び率を示しているにも関わらず、ROAはさほど伸びていない場合は「財務レバレッジ」が掛かり過ぎている可能性が考えられます。
このように、ROEが高い伸び率を示しているにも関わらず、ROAがさほど伸びていない場合は、会社が借金体質になっている可能性が示唆されるので注意が必要です。
【解説】ROEとROAの目安は?
ROEとROAの平均値と、優良企業と言われる目標値について解説します。
- ROE:平均7%くらい(10%を超えると優秀企業)
- ROA:平均4%くらい(6%を超えると優秀企業)
ただ、ROAは業界によって少しバラツキがありますのでご注意ください。
それは、設備を持っている製造業と、設備をあまり持たない非製造業でROAに違いが生じます。
基本的にROAの大きさは、非製造業>製造業になります。
その理由としては、設備を持つ製造業の場合は、そもそもの資産が大きくなる傾向にあります。
よって、ROAの計算式の分母が大きくなってしまうので、ROAは小さくなってしまうのです。
その反面、設備を持たない非製造業の場合は分母である総資産の額が小さいのでROAは大きくなる傾向にあります。
よって、ROAを見る場合は同じ業界同士で見比べてみることをおススメします。
まとめ
ROEとROAの違いを知ることは投資判断でとても重要です。
今回はその理由と、ROEだけで判断しては危険であるということをお伝えさせて頂きました。
ROEとROA両方を理解することで、正しい投資判断が出来るようになりましょう!