個別株|ファンダメンタルズ分析

【分かりやすく解説】ROEの意味、計算式、目安、注意点など

「成長見込みのある会社に投資をしたい!」と思った時に見て頂きたい重要な財務指標があります。

それは、「投資家から集めた資金を効率よく会社利益につなげることが出来ているか?」を見る”ROE”という指標です。

この指標は小型株だけはなく、全ての株式投資に通ずる話ですので一緒に学んで行きましょう。

カブ太郎

・ROEって聞いたことあるけど計算式の意味が良く分からないんだよね…

・優良な企業のROEの目安ってどれくらいなの?

・ROEを見るときの注意点はなに?

ツカサ

今日もたくさんの質問ありがとう!

では今日もカブ太郎さんのために分かりやすい解説を頑張っていくね!

【分かりやすく解説】ROEとは?意味/計算式/目安について

ROEとは、Return On Equityの略で「自己資本利益率」と言います。

これは、私たち投資家が投資した資本に対し、企業がどれだけ効率よく利益を出しているのか?を見る財務指標になります。

つまり、ROEの数値が高いほど経営効率が良い会社であると言えます。

カブ太郎

なるほど。

つまり、ぼくの投資したお金を利益を出すために効率よく使ってくれているかが分かるんだね!

ROEの計算式

ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100

ここでいう自己資本は下記のように分解できます。

自己資本=純資産合計ー(新株予約権+非支配株主持分)

どこを見れば計算出来るかというと、企業の有価証券報告書です。

気になる企業の有価証券報告書は「EDINET」で検索すると出てきますので、探してみてください。

EDINET (edinet-fsa.go.jp)

有価証券報告書のどこを見れば良いかというと、貸借対照表です。

下記のような表が有価証券報告書には載っていますので探してみてください。

この企業の場合は「非支配株主持分」の記載が無かったので計算式に入れていませんが、純資産合計から新株予約券を差し引いて自己資本を導き出しています。

バルテス(4442)_有価証券報告書_2022年3月期 第2四半期報告書

優良な企業のROEの目安は10%以上

一般的に10%を上回ると優良な企業と言われています。

ちなみに補足ですが、欧米の企業のROEは日本よりも高いと言われています。

その理由は、日本企業は利益を内部留保として貯める傾向にあるのですが、欧米企業は利益を投資家に還元する文化があるからです。

ただ、最近日本でもROEを高めていこうという企業が増えています。

のちほど注意点として記載しますが、高いROEだから優良企業と必ずしも言えなのでこちらは注意してください。

ROEの調べ方と、自分の計算と証券会社のROEが合わない理由

ROEはわざわざ計算しなくても簡単に調べることが出来ます。

一番手っ取り早いのはネット検索で「企業名 ROE」で検索することです。

その他、四季報オンラインや、証券会社のサイトから調べることが出来ます。

ROEを見るときは【予】ROEを見ること

私たちは企業の株価が将来上がることを期待して投資しています。

よって、ROEを見るときも将来のROEがどれくらいの値なのか?を見て判断しましょう。

よって【予】と書かれているROEを判断指標にしてください。

予想だROEですので。

自分の計算と証券会社のROEが合わない理由

大きく2つの理由があると考えます。

1つ目は、「自己資本」の定義にずれが生じている場合です。

一般的には先ほどの計算式(自己資本=純資産合計ー(新株予約権+非支配株主持分))で自己資本を計算していますが、自己資本が「純資産」もしくは「株主資本」で計算されている場合があります。

その場合は計算が合わない可能性が出てきます。

2つ目は、自分は「当期」の自己資本を使っているが、証券会社は「前期」と「当期」の平均値の自己資本を使っている場合です。

四季報の場合は自己資本を「前期」と「当期」の2期分の平均値を取っているため、あなたが「当期」分の自己資本を使ってROEを導いていると計算が合わない可能性が出てきます。

【信じ込み注意!】高ROEのトリックに騙されないために

実はROEは上げようと思えば意外に簡単に上げる事ができるのです。

その代表的な手法が下記2点です。

  • 自社株買い
  • 配当金を出す

どういうロジックかというと、ROEの計算式を見れば理解出来ると思います。

ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100

つまり、自己資本を小さくすればROEを上げる事ができるのです。

ですので、ROEを見る際には必ず「単年」のROEだけで判断せず、複数年(最低3年以上)のROEの推移を見ましょう。

そうすることで一時的なROEの上昇に騙されずに済みます。

最も理想的なROEの伸びというのは、計算式でも分かる通り、利益が伸び、ROEも一緒に伸びるという流れです。

まとめ

本日はROEについて解説しました。

大事なお金を投資しますので、投資した企業には利益を出すために効率よく使ってもらいたいですよね。

計算式:ROE(%)=当期純利益÷自己資本×100

優良企業の目安:ROE 10%以上

ぜひ覚えて頂ければと思います。