テンバガー銘柄を探せ!

テンバガー銘柄候補を探せ!|レアジョブ(6096)を分析

株式投資家であれば誰もが手にしたいテンバガー銘柄。

ここではビジネスモデルが面白い、商品/サービスが特徴的など、将来的にテンバガー銘柄のように株価爆上げの可能性を秘めている銘柄をツカサの独断と偏見で紹介していきます。

今回はレアジョブ(6096)を紹介します。

ツカサ

投資は自己責任でお願いします!

【総評】レアジョブ(6096)

オンライン英会話の草分け的存在といえば、このレアジョブでしょう。

オンライン英会話をビジネスとして展開している企業の中では唯一の上場企業になります。

過去1度テンバガーを達成しているレアジョブですが、今後の展望が面白そうなので取り上げてみました。

また下記2つの要因もレアジョブの成長後押しになると考えており、今後楽しみな会社の1つでだと思っています。

  • 経済産業省がリスニングを推奨しており「学び」の産業にはお金が流れてくる可能性がある
  • グローバル人材の育成は社会課題であり英語学習の重要性はさらに増してくる
ツカサの独断と偏見の企業評価

総合評価:16/20

社長:★★★★

市場性:★★★★

競合優位性:★★★★

独自性:★★★★

会社概要

レアジョブ(6096)

  • 上場年月:2014年6月(会社設立2007年10月)
  • 本社:東京都渋谷区
  • 従業員数:連結816名、単体133名、平均年齢36.9歳、平均年収663万円
  • 監査法人:トーマツ

事業内容

オンライン英会話サービスを主軸に置いた事業を展開しています。

事業ミッション「日本人1000万人を英語が話せるようにする」を掲げ、オンライン型のワンツーマンレッスンを個人・法人・教育機関向けに提供しています。

具体的には、個人向け・法人向け・医療機関向けに対して下記のようなサービスを展開しています。

出典:レアジョブIR_事業紹介

私がレアジョブを面白いと思ったのが、現状のビジネスではなく今後の成長戦略です。

レアジョブはオンライン英会話の会社から、AIアセスメントカンパニーと呼ばれる存在を目指しています。

レアジョブ_2022年3月期決算補足説明資料

その軸となるのが2020年に開発したPROGOSによるアセスメントデータの蓄積です。

将来PROGOSがアセスメントとして確立させることが出来るのであれば、レアジョブは再度テンバガーを達成出来る会社になると予想しています。

レアジョブ_2022年3月期決算補足説明資料
レアジョブが目指している世界
  • PROGOS経済圏500億円~1000億円市場の創出
  • AIアセスメントカンパニーへ
  • 売上高300億円企業へ

定性分析

外部環境(マーケット状況、競合など)

英語学習市場はコロナを機に一時落ち込みましたが、現在は徐々に回復してきています。

ただしオンライン英会話市場となると、逆にコロナを機に成長が加速しています。

レアジョブ_2022年3月期決算補足説明資料

レアジョブに与える外部環境として、下記2つの要因もチャンスになり得ると考えています。

  • 経済産業省がリスニングを推進している
  • グローバル化はますます進み、グローバル人材の育成が求められている

外部環境要因としてもレアジョブには追い風になっていると考えて良いでしょう。

内部環境(経営者、ビジネス優位性など)

経営者

社長は中村 岳さんという方です。

創業時は中高の同級生である加藤氏と一緒にレアジョブを立ち上げております。

(現在加藤氏はレアジョブを退社し、中村岳社長が1人社長としてレアジョブを率いています)

中村社長の動画は結構転がっているので見てもらえると分かると思いますが、論理的で優しそうな印象を受けます。

また、優しそうな印象の裏側に熱いものを感じたのが私の印象です。

レアジョブ中村岳社長/東証一部に市場変更!フィリピン人講師6000人のオンライン英会話とは!?(1/3)|JSC Vol.224 – YouTube

中村社長の経歴を調べてみると超優秀な方だというのが良く分かります。

中村社長の経歴

1980年東京都生まれ

開成中高→東大→NTTドコモ→中高の同級生である加藤氏と一緒に2007年にレアジョブを共同創業

ちなみに、共同創業者の加藤氏が退社された理由が少し気になったので調べてみましたが、喧嘩別れではな無さそうです。

株式会社レアジョブ / Zuitt.Inc 創業者 加藤 智久 | 経営者通信Online (k-tsushin.jp)

ビジネス優位性

英会話学習という点ではレアジョブは「オンライン型」であるという点が、対面型英会話学習と比べ時流的に優位に立っています。

では数多く存在しているオンライン英会話会社と比べてビジネスの優位性はどうでしょうか?

中村社長によると、数多くあるオンライン英会話は「楽しさ」を提供しており、レアジョブは「成果を出す」を提供している点が競合との差別化とのことです。

また、事業内容の部分で紹介しましたがPROGOSを軸にした今後の成長戦略は他社との大きな差別化ポイントです。

これらにより、レアジョブは他社とのビジネス優位性を築いていこうとしており、上手く行けば株価は伸びていくと予想しています。

レアジョブ_2022年3月期第3四半期 決算補足説明資料

その他の評価ポイント

  • 投資家向けにホームページが丁寧に作られている
  • 社長だけでなく役員が全員顔出しをしており誠実さが伝わってくる
  • 将来の目標を定量的な数字で置いている(2025年営業利益10億円や、中長期で300億円とか)
  • ビジネス課題を常にクリアにしており、その為の打ち手も明確

定量分析

成長性

売上高は順調に右肩上がりに推移しています。

ただ、2022年3月期の売上から少し成長率の鈍化が出てきているのが気になるところです。

オンライン英会話市場の伸びが7%くらいありますので、せめて売上高成長率は10%以上は欲しいところです。

マネックス証券_銘柄スカウター
ツカサ

レアジョブは中長期的な成長意欲としては2025年に営業利益10億円の達成、中長期的には売上高300億円を目指しています

収益性

営業利益率には波があります。

理由としては先行投資が要因のようですが、利益率アップはレアジョブの今後の課題になってくると思います。

また、2022年7月現在では過剰な円安により外国人講師への支払いコストも増加しており、収益性では厳しい状況が続いているところです。

今後サービスの値上げも検討しているようで、収益性改善の策は考えているようです(対面式英会話と比べてオンライン英会話の価格差が大きいため値上げ余地があると見ている様子)。

ユーザーとして利用している私としては若干複雑ですが・・・

また、どれだけ効率的に利益を上げることが出来ているか?を見るための指標であるROEとROAを見てみるとぼちぼちでしょうか。

もう少し、この2つの指標が上がってくると海外投資家の注目も高くなるのかなと思います。

  • ROE:9.1%
  • ROA:2.9%
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安全性

若干自己資本比率の低さ及び、固定比率の高さが気になるところです。

  • 自己資本比率:35.0%
  • 流動比率:138.5%
  • 固定比率:128.0%
  • D/Eレシオ:0.27%

ただキャッシュはしっかり持っており、上記の財務諸表以外にも営業キャッシュフローはプラスですし、フリーキャッシュフローもプラスなのでそこまで気になる数字ではないかなと思います。

このあたりの財務諸表の読み方について詳しく知りたい方はブログで紹介しているので読んでみてください。

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割安性

割安性の観点からはPERとPSRを見てみたいと思います。

  • PER:19.64倍
  • PSR:1倍

過去のPERの推移を見てみると30~60倍くらいあり、平均では40倍くらいです。

過去のPERの推移と比較すると割安な状態です。

また、PSRが1倍というのも割安な状態です。

この2つの指標を見ると現状レアジョブは割安と言えます。

PER、PSRの定義についてもブログで紹介していますので、詳しく知りたい方は読んでみてください。

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理論株価

私の場合はDCF法を使った理論株価を求める手法を使っていますが、計算すると下記の通り導き出されます。

  • 1,694円

2022年7月25日時点の株価が552円ですので割安ですね。

投資戦略

理論株価を試算する限りでは、企業価値に対して株価は低くついているという判断になりました。

今後レアジョブの株価が上昇していくかどうかの判断としては下記2つをしっかり見て行く必要性があり、この2つが着実に成長して行くのであれば株価も成長して行くと思います。

  • レアジョブ登録会員数の推移
  • PROGOSアセスメント実施数の推移

それでは、レアジョブの天国ケースと、地獄ケースの2つを見て、投資戦略を考えてみたいと思います。

天国ケース(売上高300億円 or 営業利益10億円をクリア)

天国ケースとは、PROGOS経済圏が創出され、500億円~1000億円という市場の中でビジネスを展開出来た場合です。

また、ベースとなっているレアジョブ英会話も順調に成長していることを想定しています。

レアジョブが掲げている中長期的な売上高300億円達成、または2025年営業利益10億円達成ですので、2つのケースを見てみたいと思います。

売上高300億円達成の場合(1株益は151円と予想)

1株益151円の場合、PER8倍・15倍・40倍でそれぞれ下記のような株価になります。

  • PER8倍:1,207円
  • PER15倍:2,263円
  • PER40倍:6,073円

営業利益10億円達成の場合(1株益60円と予想)

1株益60円の場合、PER8倍・15倍・40倍でそれぞれ下記のような株価になります。

  • PER8倍:476円
  • PER15倍:893円
  • PER40倍:2,381円
地獄ケース(成長鈍化し売上高6000億円のまま)

競合他社に基盤となるオンライン英会話の市場を奪われたり、PROGOS経済圏の創出が上手く行かなった場合です。

この場合、売上高/利益は微増で、PERが8倍くらいまで低下したと想定しましょう。

この場合、売上高は現状維持で6000億、1株益は30円で想定しましょう。

そうした場合、PER8倍で計算すると30円×8倍で240円となります。

従って最悪の場合株価は240円まで下落することもあるという事です。

レアジョブは下記のような経営戦略を掲げています。

2025年に営業利益率10億円を目指し、当期純利益6億×PER40倍=240億円

2022年7月25日現在の時価総額が53億円なので、時価総額240憶円を達成すれば単純に株価4~5倍になります。

現状の株価の割安性を考えると、シンプルにこれに期待して仕込んでもありかなとも考えています。

まとめ

レアジョブ英会話についてまとめてみました。

既に1回テンバガーを達成している銘柄であるがゆえに、投資家の期待がもう1回集まるかどうかは不透明なところがあります。

しかし、レアジョブが普通のオンライン英会話の会社ではなく、PROGOS経済圏を創出してビジネスの幅が広がった時に改めて投資家の期待が集まってくると思います。

ツカサ

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