投資をする上で見れた方が良い財務諸表は「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュフロー計算書」の3つです。
この3つの財務諸表のことを財務三表といいます。
本日は、財務三表の中のひとつである「損益計算書」について解説します。
・損益計算書って難しい…
・どうして損益計算書を見る必要があるの?
・損益計算書のどこを注目すれば良いの?
損益計算書は投資をするなら絶対見れた方が良い財務諸表だよ!
簡単だから一緒に読めるようになろうね!
【初心者向け】損益計算書の見方~誰でも簡単に見れます~
損益計算書とは?
まずは損益計算書とは何ぞや?というところから解説していきたいと思います。
損益計算書とは、会社として「一定期間にどれだけ稼ぐことが出来たのか?」を知れる指標になります。
損益計算書を図解で説明するとこんな感じです。

【解説】損益計算書を読めばわかる4つの利益と、4つの費用(損失)
損益計算書を見れば、会社の収益と、費用(損失)、利益が分かります。
特に損益計算書を見るときに重要なのが、4つの利益と、4つの費用(損失)です。
4つの利益
売上総利益
売上総利益とは粗利と呼ぶこともあります。
売上総利益は売上高から売上原価を差し引いたもので、企業の商品力やサービス力で稼ぐことができた利益のことを言います。
売上総利益=売上高-売上原価

営業利益
営業利益とは、売上総利益から販管費(販売費及び一般管理費)を差し引いたもので、その企業が本業で稼ぐことができた利益のことを言います。
営業利益=売上総利益-販管費(販売費及び一般管理費)

経常利益
経常利益とは、営業利益から営業外損益を差し引いたものです。
もし営業利益率が同業他社と比べて低いのにも関わらず、経常利益率が同業他社よりも高いとなると、その会社は本業以外で稼いでいることになります。

当期純利益
最終的な会社の利益のことです。

4つの費用
売上原価
商品やサービスを生産する時に直接的にかかった費用のことで、直接経費とも言われます。

販管費(販売費及び一般管理費)
商品やサービスを販売する時にかかった費用のことで、間接経費とも言われます。

営業外費用
本業以外で発生した費用のことです。
平たく言うと、本業以外で損をした費用のことです。

特別損失
偶発的に発生した損失のことです。

【ここを見ればOK】投資判断にすべき損益計算書のポイント
損益計算書が読めたと言って、実務に活かせないと意味がありません。
そこで、損益計算書を見るときに、どこを特に注目すれば良いのか?について解説していきます。
特にチェックすべきポイントは3つ
営業利益
理由は明快で、営業利益とは本業で稼ぐことが出来た利益だからです。
営業利益がしっかり稼ぎ出されており、同業他社と比べても高い営業利益率を誇っている必要があります。
そうでないと、その企業は同業他社よりも本業で稼ぐ力がないということになります。
本業で稼ぐ力が無ければ企業としての将来性は無いので、まずは本業でしっかり稼げているかを「営業利益」から見てみましょう。
販管費(販売費及び一般管理費)
販管費を見ると、企業が商品やサービスを販売する時に使っている費用が分かります。
つまり、販管費を見れば企業の将来的な成長意欲が見て取れるわけです。
特に宣伝広告費や、人件費などを積極的に投資している企業は、成長意欲が高いということが予測できます。
特に小型株の場合は成長意欲がないと投資対象としては考えられません。
当期純利益
会社の最終的な利益であり、株価に大きな影響を与えるから必ずチェックしましょう。
その理由は株価の計算から読み取れます。
株価=EPS(1株あたりの純利益)×PER
小型株投資の場合
小型株の中にはまだまだ成長途中の会社が多く存在しています。
成長途中の企業の場合は宣伝広告費などの販管費を積極的に使っているため、営業利益や当期純利益がマイナスになることも大いにあります。
よって、小型株の場合は利益に目を向けるよりも「売上高」と、「販管費」の2つをチェックしておきましょう。
その理由は、成長途中の小型株の場合は「利益獲得フェーズ」ではなく、「規模拡大(売上拡大)フェーズ」だからです。
規模拡大(売上拡大)フェーズの企業では利益を出しに行っていないので、利益を参考にしても分かりづらいことが多いです。
その他チェックしておくと良いポイント2つ
営業外損益
営業外損益を見ると、本業以外での収益と費用がどれほどあるのか?が分かります。
会社が本業で稼げていないのに、営業外収益のおかげで黒字であればかなり危険な状態だと思います。
こういうケースも損益計算書が読めていないと見過ごしてしまう可能性があります。
特別損益
前年と比べて大きく計上されている項目があれば要チェックです。
たまに長期間保有している有価証券を売却することで大きな特別利益が計上され、当期純利益の額が上方修正され、株価が高騰するケースもあります。
特別損益は2~3年の経時的な変化を見ることをおススメします。
まとめ
損益計算書が読めると、企業の利益構造が分かるようになります。
「本業で稼げてる?」「余計な出費は出してない?」「適切な投資は出来ている?」など、損益計算書が読めると企業の収益構造が丸裸です。
また、損益計算書を見る際のポイントは単年だけでなく2~3年で見ることが重要です。
もうこれで損益計算書の苦手意識は和らぎましたか?