株式投資家であれば誰もが手にしたいテンバガー銘柄。
ここではビジネスモデルが面白い、商品/サービスが特徴的など、将来的にテンバガー銘柄のように株価爆上げの可能性を秘めている銘柄をツカサの独断と偏見で紹介していきます。
今回はプレミアアンチエイジング(4934)を紹介します。
投資は自己責任でお願いします!
【総評】プレミアアンチエイジング(4934)
女性であれば化粧落としの「デュオ」を聞いたことがあると思いますが、デュオを柱として急速な成長を続ける会社です。
詳細は後述しますが、商品認知が更に広がり、新商品が成功を続ければ、プレミアアンチエイジングの売上はさらに拡大して行くことが予想されます。
さらには、海外への挑戦や、スキンケア市場以外への挑戦など、野心的な戦略が見えるのでとても楽しみな企業です。
総合評価:18/20
社長:★★★★★
市場性:★★★★★
競合優位性:★★★★
独自性:★★★★
会社概要
プレミアアンチエイジング(4934)
- 上場年月:2020年10月(会社設立2009年12月)
- 本社:東京都港区
- 従業員数:約190名、平均年齢37.1歳、平均年収662万円
- 監査法人:EY新日本
事業内容
会社のホームページ上には、「化粧品・健康食品の企画、開発、輸出入、通信販売、卸及び小売り業務」と書かれていますが、基本的には「化粧品の開発と販売」が主ですね。
主力製品は「DUO(デュオ)」で売上構成比の84%を占めています。
次いで「CANADEL(カナデル)」が売上構成比の15%を占めています。
従って、会社の売上の99%が「DUO(デュオ)」と「CANADEL(カナデル)」の2商品から構成されています。
- DUO(デュオ)
- CANADEL(カナデル)
- sitrana(シトラナ)
- immuno(イミュノ)
- clayence(クレイエンス)

定性分析
外部環境(マーケット状況、競合など)
プレミアアンチエイジングはスキンケア市場でビジネスをしています(市場規模は約1兆3千億円)。
スキンケア市場と言えば資生堂、コーセーなど日本を代表する会社も多く、かなりの激戦市場です。
1兆円を超えた市場規模ではありますが、数ある競合から競争優位を築けるか?がこのマーケットで勝っていく上でかなり重要になるポイントだと思います。
ちなみにナンバーワン商品であるDUO(デュオ)が戦っている市場はクレンジング市場(1300億円)であり、スキンケア市場の中でもさらに小さな市場のようです。

プレミアアンチエイジングは、DUO(デュオ)でクレンジング市場の基盤を作り、スキンケア市場で戦っていく機会を広げていこうという戦略を持っているようです。
ちなみにスキンケア市場は調べてみてわかったんですが、これまでの市場成長は海外からのインバウンド需要が理由だったようで、コロナにより急下降したようです。
しかし、プレミアアンチエイジングは通信販売の割合が高いためむしろ追い風であり、売上を伸ばしています。

内部環境(経営者、ビジネス優位性など)
経営者
社長は松浦 清さんという方で、2009年にプレミアアンチエイジングを設立しています。
経歴は、慶応義塾大学卒業後、大手生命保険会社に入社。
その後、米コロンビア大学でMBAを取得し、コンサルティング会社を経て、伊ラグジュアリーブランド等の日本法人を立ち上げ、30代で投資ファンドの社長などを歴任後、2009年にプレミアアンチエイジング株式会社を設立。
経歴を見てもお分かりのように超優秀な方ですね。
またご家族が創業一家であり、まさに社長になるべくして生まれてきたような方だと思いました。
上場時の動画があるので見てみると、余裕があり、自信に溢れた印象を持ちました。
プレミアアンチエイジング[4934]東証マザーズ IPO – YouTube
ビジネス優位性
現在戦っている市場(スキンケア市場)はかなり激戦で競合優位性を気付くのは大変難しい業界だと思います。
2019年に日本のクレンジング部門シェア1位を獲得したデュオ(DUO)は2021年まで順調な売上推移を辿っていましたが、2022年に入り売上の鈍化が見えてきました。
ただ2番目、3番目の新商品も発売してきているので、今後どのように戦っていけれるのか?がプレミアアンチエイジングの成長にかかっていると思います。
競合が多い業界であるため、特にこの業界はマーケティング力が会社の成長のカギを握っていると考えています。
そういった点では、プレミアアンチエイジングはデジタルマーケティングを強みとしていますので期待が持てます。
また、DtoCビジネスの割合が高いため、消費者の声をダイレクトに商品に還元できるのも強みだと思います。
その結果もあると思いますが、ベストコスメ賞など数多くの賞をいただいています。
また他にも興味深い情報が沢山あるので以下にまとめます。
- 科学的エビデンスに基づく製品開発に力を入れている(東京大学、昭和大学と共同研究)
- 通信販売メインの売り方だけでなく、市場の大きい卸売りにも力を入れていこうとしている
- 商品販売にサブスクリプションを取り入れているため安定的な収益基盤を作っている
- 決算説明会資料が超読みやすい(しかも懸念点などを先読みして書いてくれている)
- 中国を中心に海外展開も視野に入れており、成長期待が持てる

定量分析
成長性
2021年まではとてつもない売上高、営業利益の伸びを推移していました。
しかしながら2022年になり成長鈍化が見え、期待が剥がれたと同時に株価が暴落しました。
その理由はこれまで会社の業績を引っ張っていたデュオ(DUO)の成長に陰りが見えてきた事です。
ただ既にCANADEL(カナデル)など第2、第3の柱となる商品は準備しており、この商品が会社の成長を支えることが出来るかが今後の課題になるでしょう。
個人的には今後の打ち手はまだまだありそうなので、更なる今後の成長は期待出来るかなと思います。

収益性
通信販売が軸という事だけあって、高い収益性を誇っています(2021年の営業利益率は約14%)。
また宣伝広告費や、研究開発などに積極的な投資をしている会社なので、その分コストがかかり、まだまだ利益を出す余裕もあります。
また、ROE66.9%、ROA28.04%と驚くほど高く、利益を効率よく上げている会社です。

安全性
財務の安全性に関しては全く問題なしです。
- 自己資本比率:52.8%
- 流動比率:223.18%
- 当座比率:108.41%
- 固定比率:8.6%
- D/Eレシオ:0.08%
このあたりの財務諸表の読み方について詳しく知りたい方はブログで紹介しているので読んでみてください。




割安性
割安性の観点からはPERとPSRを見てみたいと思います。
- PER:12倍
- PSR:0.5倍
競合のPERは以下のような状況ですので、今はかなり割安だと思います。
- 資生堂:49倍
- コーセー:42倍
- ファンケル:38倍
2022年業績の下方修正を出したことで一気に期待が剥がれ、割安銘柄になってしまいました。
逆に昨年までかなりの割高で手が出せない状況でしたので、いまはチャンスな気がします。
PER、PSRの定義についてもブログで紹介していますので、詳しく知りたい方は読んでみてください。


理論株価
私の場合はDCF法を使った理論株価を求める手法を使っていますが、計算すると下記の通り導き出されます。
- 3,000円~7,000円
2022年7月1日時点の株価が1,958円ですので割安ですね。
投資戦略
投資したくてウズウズした久しぶりの銘柄です。
会社の成長鈍化がどこまで投資家の心理に影響し続けるかが気になるところですが、まだまだ成長を続けており、隠し玉もいくつかありそうな会社ですので、今後の成長を期待したい銘柄です。
私は下記のように天国ケースと地獄ケースを計算してみました。
購入後の出口戦略としは、1株益400円でPER15倍を最低ラインと見て株価6000円くらいで売却です(損切りラインは売上減少になった時、もしくは株価1600円くらい)。
もともと売上が400億を目指していたので、ここは達成可能と予想。
その場合、過去の会社予想から1株益400円は達成できると考えています。
であれば、PERが平均値の15倍が付けば、株価6000円。
もし競合他社のようにPERが40倍まで付くと16000円まで株価は上がると予想しています。
最悪業績が伸びなかった場合、売上高300億円くらいだろうと想定。
その場合、過去の状況は1株益320円くらいありますが、もう少し低く見積もり200円くらいで計算。
成長していなければ市場の期待も付かないのでPERは8倍くらいで計算。
そしたら株価は1株益200円×PER8倍で1600円になります。
地獄ケースを考えたとしてもさほど今の株価から落ちない計算になります。
まとめ
プレミアアンチエイジングを分析してみた感想として、「いま」買いたい!と思った会社でした。
いまの市場の混沌とした状況に加え、上場間もない企業特有の期待が剥がれてしまったことで株価が暴落してしまっていますが、これから先再成長が期待出来、株価も復活すると期待出来そうです。
私は買ってみましたので、今後どうなっていくのか注意深く見て行こうと思います。
私が投資を学んだスクールはここです(^^)
