東京証券取引所に上場している企業は、東証一部、二部、マザーズ、JASDAQのどれかに上場しています。
これら4つの市場の違いについて答えることは出来ますか?
・東証一部、二部、マザーズ、JASDAQの違いを教えて!
・株式投資の判断に東証、マザーズ、JASDAQで違いはあるの?
・そもそもなんで企業って上場するの?メリットだけじゃなくてデメリットも教えて
質問ありがとう!
カブ太郎君の質問にわかりやすく答えるように頑張るね!
個人的にはマザーズ市場が好きなんだよね!
違いはなに?|東証一部、二部、マザーズ、JASDAQ
では早速ですが、東証一部、二部、マザーズ、JASDAQ、それぞれの違いについて解説します。
根本的な違いは上場審査基準が違うということです。
上場審査基準が違う|東証一部、二部、マザーズ、JASDAQ
上場審査基準について下記に表でまとめました。
情報は日本取引所グループより一部抜粋していますので、詳細を知りたい方は下記URLよりご参照ください。
上場審査基準 | 日本取引所グループ (jpx.co.jp)
項目 | 東証一部 | 東証二部 | マザーズ | JASDAQ |
---|---|---|---|---|
株主数 | 800人以上 | 400人以上 | 150人以上 | 400人以上 |
流通株式 | 流通株式数:2万単位以上 流通株式時価総額:100億円以上 流通株式数(比率):上場株券等の35%以上 | 流通株式数:2,000単位以上 流通株式時価総額:10億円以上 流通株式数(比率):上場株券等の25%以上 | 流通株式数:1,000単位以上 流通株式時価総額:5億円以上 流通株式数(比率):上場株券等の25%以上 | 流通株式数:2,000 単位以上 流通株式時価総額:10 億円以上 流通株式数(比率):上場株券等の 25%以上 |
時価総額 | 250億円以上 | なし | なし | なし |
事業継続年数 | 新規上場申請日から起算して、3か年以前から取締役会を設置して、継続的に事業活動をしていること | 新規上場申請日から起算して、3か年以前から取締役会を設置して、継続的に事業活動をしていること | 新規上場申請日から起算して、1か年以前から取締役会を設置して継続的に事業活動をしていること | 3か年以前から取締役会を設置して、継続的に事業活動をしていること |
純資産額 | 連結純資産の額が50億円以上(かつ、単体純資産の額が負でない) | 連結純資産の額が正 | 連結純資産の額が正 | 連結純資産の額が正 |
利益額または売上高 | 次のa又はbに適合すること a.最近2年間における利益の額の総額が25億円以上 b.最近1年間の売上高が100億円以上 かつ 時価総額が1,000億円以上 | 最近1年間の利益の額が1億円以上 | なし | 最近1年間における利益の額が1億円以上であること |
表を見てもお分かりのように、東証一部がもっとも上場ハードルが高いですよね。
それに比べ、マザーズは新興企業が上場する市場だけあって上場ハードルは一番低いです。
図解で更にスッキリ|東証一部、二部、マザーズ、JASDAQ
さらに下記の図解をもとに東証一部、二部、マザーズ、JASDAQについて違いを解説していきます。

市場第一部(東証一部)/市場第二部(東証二部)
国内外を代表する大企業・中堅企業が上場する日本の中心的な株式市場。
特に、市場第一部は海外投資家が売買の太宗を占める国際的な市場として、市場の規模や流動性においても世界のトップクラスの市場です。
なお、市場第一部及び市場第二部を総称して「本則市場」といいます。
マザーズ
近い将来の市場第一部へのステップアップを視野に入れた成長企業向けの市場です。
そのため、申請会社には「高い成長可能性」を求めています。
申請会社が高い成長可能性を有しているか否かについては、主幹事証券会社がビジネスモデルや事業環境などを基に評価・判断します。
多くの成長企業に資金調達の場を提供するという観点から、その上場対象とする企業について、規模や業種などによる制限を設けていません。
マザーズ上場後、多くの企業が市場第一部(東証一部)にステップアップしています。
JASDAQ(スタンダード/グロース)
1.信頼性、2.革新性、3.地域・国際性という3つのコンセプトを掲げる市場です。
また、一定の事業規模と実績を有する成長企業を対象とした「スタンダード」、特色ある技術やビジネスモデルを有し、より将来の成長可能性に富んだ企業群を対象とした「グロース」という2つの異なる内訳区分を設けています。
【疑問解消】マザーズとJASDAQの違いはなに?
これまでの説明を聞いていると、マザーズとJASDAQが同じように感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
そこでマザーズ市場とJASDAQ市場の違いについてさらに踏み込んで解説してみます。
JASDAQは元々上場ではなく非上場株式を取引する「店頭市場」として開設されています。
JASDAQは日本初の新興企業向け市場として運営されている歴史の長い市場なのです。
JASDAQに対して、上場株式市場として開設されたのがマザーズになります。
マザーズに上場する企業はいずれ東証一部への上場を目指している企業ばかりであり、成長性のある企業が多いというのが特徴です。
上場基準も東京証券取引所の市場の中で一番緩いため、新興企業としてはマザーズ市場のほうが魅力的な市場だと言えます。
【そもそも論】企業が上場するメリットについて解説
少し記事の内容とは違いますが、なぜ企業が上場するのかについて考えてみたいと思います。
全ての企業が上場を目指すわけではありません。
上場を目指す企業もあれば、上場を目指さない企業もあります。
例えばサントリーや、ちなみにヤンマーといった有名企業も実は上場していないのです。
なぜ企業は上場を目指すのでしょうか?
企業が上場を目指すメリットについて考えてみましょう。
資金調達が容易になる
上場会社は、株式市場にて色々な資金調達の方法を使えるようになります。
公募による時価発行増資、新株予約権・新株予約権付社債の発行など、直接株主や企業などから資金調達を目指せるようになります。
また、上場企業としての信用も高まり、金融機関からの借入れもハードルが下がります。
企業の知名度の向上(優秀な人材の確保)
上場会社となることによって、株式市況欄をはじめとする新聞報道などの機会が増えることにより、会社の知名度が向上するとともに、優秀な人材を確保できます。
社内管理体制の充実と従業員の士気の向上
企業情報の開示を行うこととなり、投資者をはじめとした第三者のチェックを受けることから、組織的な企業運営がなされ、会社の内部管理体制の充実が図られます。
また、上場会社となることで役員・従業員のモチベーションが向上することにもなります。
しかし、メリットばかりではありません。
デメリットもあるのでデメリットについても補足します。
買収の可能性が生まれる
株式の保有割合で会社の支配権が変わってきます。
上場会社の株式は自由に売買が出来るため、ライバル会社や投資ファンドから株式を買い占められてしまうと、経営権が移ってしまい企業買収をされてしまう可能性もあります。
社会的責任の増加
上場会社になると会社の知名度が上がる反面、会社の社会的責任は増加します。
経営情報を常に公表し続け、株主総会で株主に対して多くの説明責任が生まれます。
株主の意見に経営が左右されてしまう
経営の重要事項は株主総会で議決されなければ決めることが出来ません。
取締役の退任や解任なども株主の意見に左右されることもあり、経営陣の意見ではなく株主の意見で経営方針が左右されてしまう事もあります。
株式投資をするなら、どの市場がおススメ?
個人的な見解では、安心しながら株式投資をしたいなら東証一部だと思います。
その理由としては大企業が多く、倒産リスクなどのリスク幅が小さいのが特徴だからです。
ただ、海外投資家や投資ファンドなどのプロ投資家も投資対象としている市場である為、長期的に勝ち続けられるかというと難しいと思います。
私は多少リスクが高くなったとしてもマザーズを軸に株式投資をすることが多いです。
その理由としては、マザーズに上場している企業は成長性のある企業が多いという特徴があり、徐々に徐々に売上高・利益が成長して行きますので比例して株価が上昇する可能性が高いからです。
しかも時価総額が小さい企業が多いため、プロ投資家が手を出しにくいというのが特徴で、尚且つ時価総額が小さいからこそ株価が大化けする可能性もあります。
個人的には会社員は本業に集中できるように中長期投資をおススメします!
デイトレードや、毎日の株価の変動に一喜一憂して本業が手につかなくなったら本末転倒です。
小型グロース株投資=会社の成長を一緒に応援しよう!というスタンスですね。
まとめ
東証一部、二部、マザーズ、JASDAQの違いについて解説しました。
しかしながら来年には東京証券取引所の市場再編が行われます。
市場構造の在り方等の検討 | 日本取引所グループ (jpx.co.jp)
新しい市場の情報などは改めて記事にまとめていきたいと思います。
再編が行われるまではこの主要4市場で利益を出して行きたいですね。