テンバガー銘柄を探せ!

テンバガー銘柄候補を探せ!|日本電産_Nidec(6594)

株式投資家であれば誰もが手にしたいテンバガー銘柄。

ここではビジネスモデルが面白い、商品/サービスが特徴的など、将来的にテンバガー銘柄のように株価爆上げの可能性を秘めている銘柄をツカサの独断と偏見で紹介していきます。

今回は日本電産_Nidec(6594)を紹介します。

ツカサ

投資は自己責任でお願いします!

【総評】日本電産_Nidec(6594)

日本電産は世界トップの総合モーターメーカーです。

時価総額が5兆円を超える大企業ですが、さらに成長して行こうという高い目標を掲げており、いまの売上高約2兆円を2030年には10兆円にすると公言しています。

私は普段大型株は見てないのですが、日本電産は小型株のように株価が大きくなる可能性を秘めている魅力的な会社だと思いました。

ツカサの独断と偏見の企業評価

総合評価:18/20

社長:★★★★★

市場性:★★★★★

競合優位性:★★★★

独自性:★★★★

会社概要

日本電産_Nidec(6594)

  • 上場年月:1988年11月(会社設立1973年7月)
  • 本社:京都府京都市
  • 従業員数:連結で約114,000名/単体で約2500名、平均年齢39.2歳、平均年収645万円
  • 監査法人:PwC京都

事業内容

精密小型から超大型までの幅広いラインナップを誇るモーター事業を中心に、「回るもの、動くもの」に特化したモーターの応用製品・ソリューションを手掛けています。

その中で大きく4つの事業を行っています。

  • 精密小型モーター
  • 車載
  • 家電・商業・産業用
  • その他の製品グループ
日本電産ホームページ_どんな事業をやってるの?

精密小型モーター

パソコンやデータセンターで使われるHDD用モータは世界トップシェアを誇っています。

スマホ・携帯電話に使われる触覚デバイス(振動モータ)に加え、OA機器用モータやCD・DVDドライブ用モータ、ファンモータを含む熱処理部品なども製造・販売しています。

車載

世界トップシェアを誇る電動パワステ用モータや、ポンプや先進運転支援システム(ADAS)向けセンサー、電気自動車向け駆動用モータシステムなどを製造・販売しています。

家電・商業・産業用

洗濯機やエアコンをはじめとする家電製品向けのモータや、 エレベータ用モータなどの商業用モータ、そして船舶用モータなどの産業用モータを取り扱っています。

その他の製品グループ

機器装置

液晶ガラス基板搬送用ロボット、現金自動預け払い機(ATM)などに使用されるカードリーダ、半導体パッケージやタッチパネル用の検査装置、各種プレス機器など各用途で高いシェアを誇っています。

電子・光学部品

産業用電子機器に搭載されるスイッチ、トリマ、センサなどの電子部品と、デジタルカメラおよびスマホ・携帯電話に搭載されるカメラ用シャッター、手振れ補正装置などの光学部品が主力製品です。

Vision2025

日本電産は現事業を2025年までに約2倍の売上高4兆円を目指しています。

その中で特に車載家電・商業・産業用モーターの成長が4兆円の売上を達成する為には重要になってきそうです。

定性分析

外部環境(マーケット状況、競合など)

日本電産が今後のマーケットとして考えているのが「5つの大波」です。

  1. 5G&サーマルソリューションの波
  2. 脱炭素化の波
  3. 省人化の波
  4. デジタルデータ爆発の波
  5. 省電力化とコロナ後の波

この5つの波の市場規模を永守社長はある記者会見で30兆円あると言われていました。

2022年3月期 決算説明会_日本電産(6594)

デジタル化が進めば進むほど高性能モーターは求められます

そうなると必然的に世界トップの総合モーターメーカーである日本電産のモーターの需要は高まります。

また、世界の消費電力の約50%をモーターが占めていると言われており、モータの消費電力を減らすことは地球環境の保全にもつながると言われています。

つまり、需要が高まるモーター業界の中で、消費電力を抑えた高性能モーターはどこの企業も欲しいわけです。

日本電産にとってこれからの時代は大きなビジネスチャンスと言っても過言ではありません。

内部環境(経営者、ビジネス優位性など)

経営者

社長は永守 重信さんで、いまや日本の伝説的な経営者の1人です。

永守社長の名言
  • 私は「一番以外はビリだ」と思って生きてきました。二番でもいいなんて言う考え方は駄目です。それから、異端者を評価しない会社も問題です。ちょっと変わった人間が世の中にないものを生み出している。
  • 一日24時間という時間はすべての人間に平等に与えられている条件。これをどう使うかで、勝負が決まる。
  • 雇用創出こそ企業の最大の社会貢献である。
  • “能力は一流、人間は三流”の部門長の下では、業績は五流以下である
  • 知恵を出すということはそんなにむずかしいことではない。今自らがやっている仕事を一秒でも早く楽にできる方法を考えればよいのである
  • リーダーの強さがそのグループの勝負を決する。
  • 『ノー』の連発からは何も生まれない。『すぐやる』『必ずやる』『出来るまでやる』という、常に前向きな姿勢を持ってこそ、すばらしい成果が待っている

あまりにもカリスマで、圧倒的な存在感の永守社長を数行でまとめることは難しいので興味がある方は永守社長が書かれている書籍を読まれてみてください。

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永守氏は一度はCEOの席を後任の関氏に渡しているのですが、約1年でCEOに復帰されています。

純利益が最高を記録しても「株価低迷」が永守氏がCEOへ復帰した一番の理由と言われています。

「今の株価は耐えられない水準。1万円くらいで残っていれば私の出る幕はなかった」(永守氏)

永守氏は何度も記者会見で「株価」という発言をされており、株価の上昇を大変意識されています。

従って永守氏がCEOに復帰したことで株価が上向きになる可能性はあると思います。

ビジネス優位性

既に世界トップの総合モーターメーカーであることがビジネスの優位性を作れていると考えます。

さらに日本電産は「軽薄短小」を目指し、よりよりモーターを世に出そうと日々研究を続けています。

既に世界のトップシェアであり、日本人特有の高い技術力を誇っている日本電産は、競合を寄せ付けない高いレベルのモーターを世に送り出し続けています。

また、なんと言っても日本電産の強みはM&Aにあると思います。

これまで何十社という企業をM&Aしてきたわけですが、日本電産に1つとして失敗がありません(永守氏はM&Aの神とも言われています)。

ちなみに永守氏がM&Aをする際医大事にしている7つのポリシーというものがありましたので、M&Aを仕事としている方は参考にしてみてください。

定量分析

成長性

多少の浮き沈みはあったもののの、創業時からずっと右肩上がりの成長を続けています。

既に時価総額が5兆円を超える大企業であるにも関わらず、さらに成長意欲があるというのもこの企業の面白さです。

結果にコミットを謳うライザップのように、日本電産も業績にトコトン拘っています。

日本電産の業績を上げて行くことにトコトン拘っている姿勢が、創業当時から右肩上がりの成長を続けている理由だと思います。

ちなみに日本電産は2025年に4兆円2030年に10兆円という売上高目標を掲げています。

前途した「5つの波」の背景を考えると、実現が全く見えないというわけではなく可能性はあるなと思ってしまいます。

収益性

日本電産は営業利益率10%以上を目指しています。

ですが、ここ最近は営業利益率10%未満と10%を超えることが出来ていません。

ただ、研究開発費に賭ける費用も莫大であり、投資のさじ加減次第では収益性は一気に上がる可能性はありますが、過去5年ほどのデータを見ても頑張って10%かなと思います。

また、ROEとROAは下記の通りですが、特にROEは10%を超えており効率よく収益を上が絵うことが出来ていると推察できます。

  • ROE:11.46%
  • ROA:5.54%
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安全性

財務の安全性に関しては安全域です。

この状況を見るとしっかりレバレッジを掛けた経営を行っていることが良く見えます。

  • 自己資本比率:48.1%
  • 流動比率:137.7%
  • 当座比率:82.2%
  • 固定比率:107.2%
  • D/Eレシオ:0.7倍

このあたりの財務諸表の読み方について詳しく知りたい方はブログで紹介しているので読んでみてください。

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割安性

割安性の観点からPERとPSRを見てみたいと思います。

  • PER:28倍
  • PSR:2.7倍

割安性だけで見るとメチャクチャ安いわけではありませんが、過去の平均PER25~64倍と比較すると割安になるのかな?と思います。

PER、PSRの定義についてもブログで紹介していますので、詳しく知りたい方は読んでみてください。

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理論株価

私の場合はDCF法を使った理論株価を求める手法を使っていますが、計算すると下記の通り導き出されます。

  • 4,176円

2022年7月1日時点の株価が8,592円ですので現状の株価は割高という事になります。

投資戦略

銘柄を探しているうちに永守社長のファンになってしまいました(笑)

そうなってしまうと冷静な判断が出来なくなってしまいますが、これまで調べてきた情報をもとに冷静に分析してみたいと思います。

天国ケース/地獄ケースを下記にまとめています。

天国ケース(売上2025年4兆円、2030年10兆円をクリア)

売上高から想定されるEPSは導くことは出来るので、もし仮に売上高4兆円を達成するとEPSは589円になります。

10兆円を達成したとすればEPSは1,473円になります。

2025年売上高4兆円を達成した場合

  • EPS:589円(推定)
  • PER:15~30倍

そうした場合、株価の計算式は589円×PER15~30倍となり、株価は8,835円~17,670円が想定株価になります。

2030年売上高10兆円を達成した場合

  • EPS:1,473円(推定)
  • PER:15~30倍

そうした場合、株価の計算式は1,473円×PER15~30倍となり、株価は22,095円~44,190円が想定株価になります。

地獄ケース(今後業績が伸びない)

最悪業績が伸びなかった場合、売上高/利益ともに現状維持としましょう。

外部環境を考えても売上/利益が下がることは考えにくいです。

そうした場合、EPS/PERは以下の状態に落ち着くと思います。

  • EPS:235.9円(2022年3月決算期のEPSより試算)
  • PER:10~15倍(多少の期待は剥がれるので低めに設定)

そうした場合、株価の計算式は220円×10~15倍となり、株価は2,200円~3,300円が想定株価になります。

個人的には株価が4,000円くらいまで落ちてくれると手を出しやすいなと思っています。

私が投資するなら、4,000円台でインして、損切りライン2,200円~3,300円くらいに設け、利確タイミングを8,835円~17,670円もしくは、22,095円~44,190円で考えます。

まとめ

日本電産を分析してみましたがいかがでしたでしょうか?

社長のカリスマ性と、リーダーシップスタイルがこれまでの日本電産を大きくしてきました。

永守氏がCEOに復帰しましたが、ご年齢的にもあと数年でCEOの席は後任に譲ると思います(ご本人もCEO復帰任期は3年くらいだろうと記者会見で言われていました)。

Vision2025→2030年と進んでいく中で、永守社長でない場合にどこまで実現可能性があるのか少し不安材料はあるかなと思います。

私が投資を学んだスクールはここです(^^)