テンバガー銘柄を探せ!

テンバガー銘柄候補を探せ!|MRT(6034)を分析

株式投資家であれば誰もが手にしたいテンバガー銘柄。

ここではビジネスモデルが面白い、商品/サービスが特徴的など、将来的にテンバガー銘柄のように株価爆上げの可能性を秘めている銘柄をツカサの独断と偏見で紹介していきます。

今回はMRT(6034)を紹介します。

ツカサ

投資は自己責任でお願いします!

【総評】MRT(6034)

医師と医療機関を繋ぐ非常勤・常勤医師紹介の「Gaikin」と、転職支援「career」の人材紹介サービスがビジネスの柱です。

また今ではオンライン診療という言葉がメジャーになってきましたが、2016年から業界のパイオニアとしてオンライン診療を手掛けていた会社でもあります。

今後、高齢化社会に伴う医療ニーズの拡大であったり、政策(医師の偏在化対策、医師の働き方改革)によりますますビジネスチャンスが広がっていく会社ではないかと考えています。

ツカサの独断と偏見の企業評価

総合評価:16/20

社長:★★★

市場性:★★★★★

競合優位性:★★★★

独自性:★★★★

会社概要

MRT(6034)

  • 上場年月:2014年12月(会社設立2006年10月)
  • 本社:東京都渋谷区
  • 従業員数:連結249名、単体130名、平均年齢31.1歳、平均年収532万円
  • 監査法人:EY新日本

事業内容

医療人材サービスが売上の80%を占めている会社で、その中で収益の柱になっているのが「Gaikin」です。

Gaikinは医師に特化した人材紹介サービスになり、業界トップクラスの紹介実績を誇っています。

ただ、MRTのビジョンが「医療・ヘルスケアの革新的なマーケットプレイスを創る」と掲げているだけあり、まだまだ1つ1つのビジネスは小さいですが、グループ会社も含めて様々なサービスを展開しています。

医師向けサービス

  • Gaikin:医師に特化した人材紹介サービス(業界トップクラスの紹介実績を持っている)
  • career:医師の転職サポートサービス
  • ポケットドクター:スマホで出来るオンライン診療(日本初)
  • ネット医局:医局向けのグループウェア
  • FASTCALL:医療機関専用の安否確認サービス

コメディカル向けサービス

  • MRTナースバンク:看護師の人材紹介サービス
  • MRT薬剤師:薬剤師の人材紹介サービス
  • MRT臨床検査技師:臨床検査技師の紹介サービス
  • MRT:臨床工学技士:臨床工学技士の人材紹介サービス
  • MRT放射線技師:放射線技師の人材紹介サービス
  • MRT透析看護師:透析看護師の人材紹介サービス

企業向けサービス

  • MRT医師開業支援:新規開業、継承案件などの人材紹介サービス
  • 産業医:専属産業医、嘱託産業医の求人情報サービス

グループ会社も入れるともう少しサービスがありますが、その中でも個人的に将来楽しみな事業は以下の2つです。

医療人材紹介サービス

  • 医師の働き方改革が進んで行くこと、医師偏在化問題に伴い、ますます医師の人材紹介ビジネスは活発になって行くことが考えられます。
  • Gaikinを中心に、MRTのビジネスはまだ1都3県が売上のメインです。したがってエリアが広がって行けば比例して会社の売上も拡大していく可能性が高いです
  • 売上の殆どが医師向けサービスなので、コメディカル向けの人材紹介サービスが浸透していくと売上が更に伸びていく可能性がある

ポケットドクター

  • オンライン診療がさらに普及して行けば伸びる商品です。ただ、海外に比べコロナでもなかなかオンライン診療が進まない日本の医療の現状を踏まえるとどこまでの伸びしろがあるのか不透明です。

定性分析

外部環境(マーケット状況、競合など)

ヘルスケア市場は伸び続けており2025年には33兆円規模になると言われています。

その中で医師の人材紹介市場は2024年に750億円市場オンライン診療市場は2035年に900億円市場になると言われています。

つまりMRTが勝負している市場は右肩上がりに成長を続けているのです。

この背景として考えられるのは以下の3点です。

  1. 高齢化に伴い医療ニーズが拡大している
  2. 医師の勤務体系に変化が生じている(女性医師の増加、働き方改革)
  3. 医師が地域に偏在している問題に対する対策が急がれている

①~③ともに医療人材の紹介サービスは求められますし、地方で医師が少ない場所ではオンライン診療などデジタルの普及が欠かせない状況になってきていると考えられます。

つまり外部環境分析からもMRTのビジネスは期待できるのです。

内部環境(経営者、ビジネス優位性など)

経営者

社長は小川 智也さんという方で、いまだに現場で診療をされている現役の医師です。

もともとは馬場社長という方がMRTの社長をされていましたが、社内的に色々と問題があったらしく…後任として小川社長が引き継がれているようです。

小川社長の動画を見てみましたが冷静沈着で論理的なイメージを持ちました(加えてとても誠実な印象も受けました)。

【MRT(1)】経営陣の7割が現役ドクター 日本の医療現場を支えるトップ企業 – YouTube

ビジネス優位性

この会社の特徴は経営陣の70%が医師という点です。

現場で診療されている医師であるからこそ、常に現場の”不”を吸い上げることが出来、ビジネスに展開することが出来ています。

これはまさに競合他社と比べても高い優位性を持っている点だと思います(だから先駆者としてオンライン診療を手掛けることが出来たのでしょうね)。

今後MRTが成長していく為には大きく2つのビジネスが成長出来るかにかかっています。

  • 医療人材紹介サービス:Gaikin及び、コメディカル向け人材紹介サービス
  • オンライン診療:ポケットドクター

人材紹介サービスが成功する為のポイント

  • 1都3県以外でビジネスを横展開出来るかがポイント
  • 医師以外の業種で人材紹介サービスの普及が広がっていくかがポイント

オンライン診療が成功する為のポイント

  • 競合が増えてきている中、優位性を持って医療機関に販売する営業力を持つ事が出来るか

この2つを成功させることが出来ればMRTの売上及び株価は上がると思います。

2021年12月期説明会資料_MRT(6034)

定量分析

成長性

売上高、営業利益ともに右肩上がりに推移しています。

ただ注意しないといけないのが2021年に売上高が大きく伸びたのはコロナバブルが要因です。

もしアフターコロナで売上高の調整が入る可能性があり、そうした場合は株価が下がりますので要注意です。

マネックス証券_銘柄スカウター

収益性

営業利益率は10%くらいで、比較的高い収益性を取れています。

ただ逆に広告宣伝費など、サービスを売っていく為の先行投資が少ないような気がしています。

まだまだ利益を出さずに先行投資をバンバンしても良いフェーズではないかなと思っているので、その点が少し気になる点ですかね。

また、どれだけ効率的に利益を上げることが出来ているか?を見るための指標であるROEとROAは高く、会社として効率的に利益を上げることが出来ています。

  • ROE:41.42%
  • ROA:18.68%
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安全性

財務の安全性に関しては全く問題なしです。

  • 自己資本比率:44.6%
  • 流動比率:174.8%
  • 固定比率:57.4%
  • D/Eレシオ:0.27%

このあたりの財務諸表の読み方について詳しく知りたい方はブログで紹介しているので読んでみてください。

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割安性

割安性の観点からはPERとPSRを見てみたいと思います。

  • PER:8.3倍
  • PSR:1.5倍

過去のPERの推移を見てみると平均で40~400倍くらいありました。

従って、現状はかなり割安な状態であると言えるでしょう。

ただ、かなり割安な状態の背景としてはコロナバブルにより一時的な利益の増加があり、その利益に対してPERが低くついているからです。

これはもしかすると投資家が既に利益は調整するだろうと先読みして様子を見ていることが推察されます。

この利益が今後も続くのであれば今はかなり割安ではありますが、今の状態はもう少し冷静に見ておいた方が良いのではないかと思います。

PER、PSRの定義についてもブログで紹介していますので、詳しく知りたい方は読んでみてください。

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理論株価

私の場合はDCF法を使った理論株価を求める手法を使っていますが、計算すると下記の通り導き出されます。

  • 589円

2022年7月12日時点の株価が1,157円ですので割高ですね。

投資戦略

PERで見ると割安で、DCF法を用いた理論株価で見ると割高です。

ではどちらを信じて投資戦略を考えれば良いでしょうか?

私の考えはPER及び理論株価がともに割安であれば投資チャンスと考えるのですが、どちらか一方が割高だった場合はDCF法の方を信じます

ですので、現在の企業価値が株価に置き換えた時に589円だという事を念頭に置いて、いくつかのケースを想定して行きます。

天国ケース(売上高60億円をクリア)

天国ケースはコロナバブルをもろともせず更にビジネスが加速するケースです。

そうした時売上高は60億を目指せると思います。

もし仮に売上高が60万となれば過去の推移を見ても分かる通り、純利益は7億2千万、1株益は122円になることが想定されます。

そうした場合、PERを現状の8倍~40倍まで幅を持たせて考えると、株価は979円~4,896円の幅で落ち着くと思います。

地獄ケース(成長鈍化し売上高36億円くらい)

現在の売上がコロナバブルに起因しているという事であれば売上高はコロナ前くらいまで落ちる可能性もあります

そうした場合売上高36億くらいが妥当かなと読んでいます。

もし仮に売上高が36億となれば過去の推移を見ても分かる通り、純利益4億3千万、1株益は73円になることが想定されます。

そうした場合、PERを現状の8倍~40倍まで幅を持たせて考えると、株価は587円~2,937円になります。

地獄ケースを考えた時に、想定の下値株価が理論株価とほぼ一緒になりました。

つまり下限は600円くらいになるのかなと思います。

もし株価が600円くらいまで下がるようなことがあれば買いであり、出口戦略としては最高ケース売上高60億円を待つ(株価979円~4,896円)か、地獄ケースのどこかで利確するかなと思います。

まとめ

MRTについてまとめてみました。

コロナにより医療系のビジネスは光を浴びることが増えてきましたがMRTについてはまだまだ認知は広くされていないと思います。

従ってまだ人気が高くない今から仕込んでおいて、将来のビジネスの成長を期待して投資する事は面白いかなと思います。

ツカサ

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