株式投資家であれば誰もが手にしたいテンバガー銘柄。
ここではビジネスモデルが面白い、商品/サービスが特徴的など、将来的にテンバガー銘柄のように株価爆上げの可能性を秘めている銘柄をツカサの独断と偏見で紹介していきます。
今回はランディックス(2981)を紹介します。
投資は自己責任でお願いします!
【総評】ランディックス(2981)
東京の城南エリアを中心に不動産テック事業を展開している企業です。
順調に売り上げを拡大しており、ターゲットが富裕層というユニークさ、まだまだ事業拡大の伸びしろがあることを総合的に判断して、ランディックス社に注目してみました。
総合評価:17/20
社長:★★★★
市場性:★★★★★
競合優位性:★★★★
独自性:★★★★
会社概要
ランディックス(2981)
- 上場:2019年12月
- 設立:2001年2月
- 従業員:連73名、単59名(32.5歳)平均年収552万円
- 本社:東京都目黒区
- 監査:あずさ
事業内容
大量生産からオーダーメイド住宅を当たり前にし、理想の家づくりを一気通貫のサービスでサポートしている会社です。
簡潔にいうと不動産事業ではあるのですが、ターゲット層であったり、方向性が競合他社とは一線を画しているのが特徴的です。
下図がとても分かりやすく事業内容がまとまっているので、参考にしてみてください。
住宅販売、仲介料、建設業者とのマッチング費用など、理想の家づくりをサポートする各種で収益を上げることが出来るビジネスモデルになっています。

事業は大きく3つありますので、順に解説して行きます。
不動産デベロップメント事業
城南エリア(世田谷区・目黒区・大田区・渋谷区・港区・品川区)を中心に、不動産の仕入れ、開発、分譲を行う事業。
この中でも細かく4つの事業が存在しており、宅地開発分業事業、建売分譲事業、収益不動産事業、中古リノベーション事業です。
この事業はいわば、一般的な不動産事業であり、住宅販売から収益物件まで、不動産販売を網羅的に行っています。
不動産マッチング事業
城南エリア(世田谷区・目黒区・大田区・渋谷区・港区・品川区)を中心に、価値ある不動産をセレクトした上でユーザーにマッチした不動産をコンサルティングする事業。
下記のようにホームページ上に物件を掲載して住宅を販売しています。
ネットからの成約率は47.6%あるようです。

不動産テック事業
オーダーメイド住宅を建てるためのプロセス(土地探し~建築業者選定~ローン締結~建物完成)をワンストップで無料コーディネートしている事業。
このサービスはsumuzu Matchingと言われ、ランディックス特有の強みの1つだと言えます。

顧客データストック数の推移も下記のように順調に伸びており、このデータを使った新たなビジネス展開、クロスセル販売なども可能になってくると考えられます。

中期経営計画
今後の成長戦略について調べてみました。
下記の通り、2025年に売上高300億円、経常利益10%超を中長期的には目指しています。
2023年売上予想の150億から2倍の販売目標ではありますが、下記の要因があり個人的には十分達成可能であると見ています。
- 不動産デベロップメント事業の拡大(城南エリアから文京区・杉並区・中野区へエリア拡大)
- 収益物件販売への本格参入
- クロスセル販売の拡大(アート、ペットサービスの代理店委託契約)

定性分析
外部環境(マーケット状況、競合など)
本社のある東京都内だけでも拡大余地は非常に大きいと考えられます。
22/3期ランディックス社の物件販売量約169億円に対して、東京都の戸建住宅市場は約2.6兆円/年間の規模となっています。

今後城南エリアだけでなく、文京区・杉並区・中野区・豊島区とエリアを拡大していく予定であり、更なる売り上げ拡大を図ろうとしています。

対競合という観点で見ると、ランディックスのターゲット顧客が「富裕層」であるという点が競合優位性という点で面白いです。
また口コミ・リピートによる成約が約30%というのも競合優位性が高いビジネスと言えるポイントだと思います。
住宅を購入頂いたお客さんへは、収益不動産事業・アート・ペットサービスなどをクロス展開していくようで、これも口コミ・リピート率が高いビジネスだから実現できるのでしょうね。
内部環境(経営者、ビジネス優位性など)
経営者
社長は岡田 和也さんという方です。
生まれ育った場所がランディックスのビジネスの主軸となっている城南エリアです。
また、実家が自営業であり、裕福な家庭で育ったとおっしゃっていました(これが岡田社長の余裕のある人柄に出ているようです)。
以上のような背景を考えると、エリア/ターゲット顧客と会社(社長)の相性は抜群であるという事が一目瞭然ですね。
岡田社長の人となりは下記の動画で良く分かると思いますのでご興味がある方は一度見てみてください。
ランディックス岡田和也社長/富裕層顧客と関係を築いてストックしていったら敵なし!(1/3)|JSC Vol.432 – YouTube
ビジネス優位性
富裕層をターゲットにしている点は競合他社との差別化ポイントかなと思います。
また、sumuzuマッチングサービスも面白く不動産テックとしては、今後注目を浴びてくる可能性があります。
しかし、不動産業界は競合ひしめく業界である点は注意しないといけない点であり、さらには今後日銀が金利を上げた場合にビジネスに影響が出る可能性がありますので注意は必要です。
その他評価ポイント
- 社長含め、役員全員の顔写真と自己紹介が載っており、誠実さ及び自信を感じる
定量分析
成長性
売上高は下記の通り順調に推移しています。
特に気になるところは無いくらい順調に伸びています。

収益性
営業利益率は毎年10%を超えており、不動産業界としては高い収益性をあげていると思います。
販管費を確認したところ、特に宣伝広告費にはコストを掛けていないようなので、隠れた利益源は無さそうです。
ただ、それでも営業利益率10%を超えている状態なので良いと思います。
ROEとROAは高い値となっており、効率よく収益を上げていることが分かります。
- ROE:16.59%
- ROA:7.34%

安全性
不動産業界としては素晴らしい財務状態であり、全く問題なしです。
- 自己資本比率:44.2%
- 流動比率:184.0%
- 固定比率:53.1%
- D/Eレシオ:1.02倍




割安性
割安性の観点からはPERとPSRを見てみたいと思います(2022年11月29日現在)。
- PER:6.9倍
- PSR:0.63倍
過去2年の平均PERは4.72~11.78倍なので、現在のPERは低くもなく、高くもなくといったところでしょうか?
ただグロース市場の不動産業の平均PERは66.3倍なので、他のグロース市場×不動産のPERと比較すると割安の判断になるかと思います。
PER、PSRの定義についてもブログで紹介していますので、詳しく知りたい方は読んでみてください。


理論株価
私の場合はDCF法を使った理論株価を求める手法を使っていますが、計算すると下記の通り導き出されます。
- 2,168円
2022年11月29日時点の株価が2,363円ですので適正水準です。
投資戦略
今後ランディックスの株価が上昇していくかどうかの判断としては、以下2つのポイントだと思います。
- ベースとなる不動産事業拡大に成功(城南エリア+他の23区)
- 収益不動産の売上増
それでは、ランディックスの天国ケースと、地獄ケースの2つを見て、投資戦略を考えてみたいと思います
天国ケースは中期経営計画通りに2025年300億円の売上達成です。
その時の営業利益は10%と試算して、営業利益を30億円としています。
この場合、1株益は660円になると想定。
1株益660円の場合、PER5倍・10倍・20倍でそれぞれ下記のような株価になります。
- PER5倍:3,300円
- PER10倍:6,600円
- PER20倍:13,200円
ほぼ企業成長が無いという前提で、地獄ケースを作ってみました。
この場合は2023年販売目標の150億円で計算しました(営業利益率は10%と試算して、営業利益は15億円としています)
この場合、1株益は233円になると想定
1株益233円の場合、PER3倍・5倍でそれぞれ下記のような株価になります。
- PER3倍:698円
- PER5倍:1,163円
天国ケース、地獄ケースともに上下の幅が大きいように感じました。
順調に成長を続けているのでこの調子を維持すれば確率的には天国ケースが高そうですが、一度期待が剥がれると下落も早いかなと思います。
※不動産業である為、PERは低めに設定して試算をしています。
投資は自己責任でお願いします!
まとめ
ランディックスについて調べてみました。
今後拡大余地も十分ある会社だと思いますので、注目して良いと思います。
ただ個人的に計算した理論株価が現状株価通りなので観察銘柄にして、落ちた時に買い入れようかなと思います。
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