株式投資家であれば誰もが手にしたいテンバガー銘柄。
ここではビジネスモデルが面白い、商品/サービスが特徴的など、将来的にテンバガー銘柄のように株価爆上げの可能性を秘めている銘柄をツカサの独断と偏見で紹介していきます。
今回はココペリ(4167)を紹介します。
投資は自己責任でお願いします!
【総評】ココペリ(4167)
中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance」を中心にビジネスを展開している会社です。
ビジネス自体はシンプルなのですが、直接中小企業に営業をかけるわけではなく、金融機関を介して中小企業に営業をかけているのがビジネスモデルとして面白いと思いました。
詳細は後述しますが、着実な成長は見込めそうなビジネスである為、後は+αで何か面白い仕掛けが見えると株価は大化けしそうです。
総合評価:17/20
社長:★★★★
市場性:★★★★
競合優位性:★★★★★
独自性:★★★★
会社概要
ココペリ(4167)
- 上場年月:2020年12月(会社設立2007年6月)
- 本社:東京都千代田区
- 従業員数:64名、平均年齢37.2歳、平均年収614万円
- 監査法人:EY新日本
事業内容
ココペリには2つの事業セグメントがあります(売上の90%以上はBig Advance事業)。
- Big Advance事業
- DX Solutions事業
主軸となるBig Advance事業は、SaaSモデルであるため、導入されれば解約されない限り売上が積み上がっていく構造になっています。

Big Advance事業は一言でいうと、中小企業のDX化を推進させ、経営プラットフォームを作る事業です。
これが画期的なB to Bビジネスになっているのが特徴です。
下図のようにココペリが直接中小企業に対して営業をかけるわけではなく、まず先に地方の金融機関にBig Advanceを導入して、地方の金融機関が中小企業に対してBig Advanceの利用の営業をかける仕組みになっています。
中小企業にとって地方の金融機関はとても大切な存在ですので、Big Advanceを地方の金融機関経由で営業をかけるというのはとても理に適っているのです。

Big Advanceを中小企業が導入することにより、中小企業はDXを実現するための様々なサービスを受けることが出来るようになっています。
それが他社サービスと比べると豊富に揃っていて、低価格というのがポイントです。
もっとも中小企業から評価が高いサービスがビジネスマッチングサービスとなっており、これは地銀を介していることで実現できるビジネスモデルだと思います。
また、ホームページ作成も人気が高く、多くの企業が導入しているらしいのですが、導入頂くことでココペリのSEO対策にも効いているらしく、ココペリにとってもメリットになっています。

ココペリは2025年3月までの中期経営計画を出しており、下記のような成長戦略を掲げています。
2025年3月期決算で売上高年率35%成長、営業利益率20%の達成
これを実数に直すと売上高及び、営業利益は下記の推移になります。
売上高(年成長率35%で計算した場合)
- 2023年:22億
- 2024年:30億
- 2025年:40億
営業利益(2024年以降は営業利益率20%で計算した場合)
- 2023年:4億
- 2024年:6億
- 2025年:8億
定性分析
外部環境(マーケット状況、競合など)
エンドユーザーとなっている中小企業は358万社あり、市場規模はとても大きいです。
現在の契約社数は2023年3月期の決算説明会資料では71,185社となっています(2022年6月末時点)。
当面のターゲット企業数は2025年3月までで15万社を目指しており、将来的には304万社まで拡大していこうとしています。
単純計算で、2025年までに約2倍、20○○年に約40倍ですね。

さらに世の中のIT化は進んでいくため、今後の市場規模自体が大きくなっていくと予想されます。
競合は、前回紹介したライトアップなども中小企業を支援しているという点で一緒ですが、同様のビジネスを展開しているような企業は存在していませんので、ビジネスモデルの独自性はあると思います。
内部環境(経営者、ビジネス優位性など)
経営者
社長は近藤 繫さんという方です。
慶応大学理工学部を卒業され、みずほ銀行に入行後、転職先の会社が倒産した事をきっかけにココペリを創業されています。
大学生時代にアメリカに留学した事が企業のきっかけになっているようです。
中小企業を支援するビジネスを展開していることも、アメリカの留学が活きているようで、アメリカの留学が近藤社長にとって大きなインパクトだったのでしょうね。
東証マザーズ上場を果たした知られざる会社、ココペリ。中小企業と士業・金融機関をつなぎ、すべてのビジネスに世界とつながるチャンスを。ココペリ近藤繁氏×STRIVE天野 | STRIVE
ビジネス優位性
中小企業をターゲットにした競合はありますが、地銀とタッグを組んで、中小企業支援を行っている企業は存在していないと思います。
そういう点ではビジネス優位性は高いと思います。
通常のB to Bビジネスではなかなか中小企業の社長を説得させることは難しいのかなと思っていたのですが、間に地方の金融機関が入ることで営業のハードルを下げることにも成功しています。
その他の評価ポイント
- 社長、役員の紹介がほぼ無い(近藤社長の名前は検索すれば記事として出てくるが)
- ビジネスモデルが素晴らしいので着実な成長は見込めそうだが、株価が大きく上がるための隠し玉的要素が良く分からなかった
定量分析
成長性
売上高は下記の通り順調に推移しています。
ただ、これまでQ毎の進捗が37%、26.5%と推移していたものが2023年3月期1Qで対前年比6.8%の伸びに鈍化。
さらには売上の先行指標に当たる会員企業数が2023年3月期1Qの発表で初めての減少となっていることが懸念点です。

ココペリは2025年まで年間成長率35%達成を目指しているよ!
収益性
ここ直近の営業利益率は20%以上を確保できており、さすがIT企業という高い収益性を誇っています。
2023.3予の営業利益が大幅に減少している理由はエンジニア等の大規模採用を行ったことが原因です(ただこれは企業を成長させていこうという前向きな現れ)。
大きく広告宣伝費等にお金をかけているわけでは無さそうなので、営業利益率をこれ以上高める事は難しそうです。
また、どれだけ効率的に利益を上げることが出来ているか?を見るための指標であるROEとROAを見てみるととても高いです。
- ROE:16.5%
- ROA:14.4%

安全性
財務的な安全性に関しては問題なしです。
- 自己資本比率:86.5%
- 流動比率:681.6%
- 固定比率:14.1%
- D/Eレシオ:0倍
システムを自社で開発できる能力と、IT企業がゆえの財務状態の安全性の高さが見受けられます。




割安性
割安性の観点からはPERとPSRを見てみたいと思います(2022年9月5日現在)。
- PER:1313倍(←大幅な営業利益の減少が原因)
- もし、24年予想PESで計算すると25.8倍
- PSR:3.1倍
上場してからのPERの平均は39~131倍であることや、マザーズに上場している会社という点で考えると、現状のPER・PSRは割安であると判断できます。
PER、PSRの定義についてもブログで紹介していますので、詳しく知りたい方は読んでみてください。


理論株価
私の場合はDCF法を使った理論株価を求める手法を使っていますが、計算すると下記の通り導き出されます。
- 1,130円
2022年9月5日時点の株価が788円ですので割安です。
投資戦略
今後ココペリの株価が上昇していくかどうかの判断としては、Big Advanceに関する下記の主要KPIの推移を見て行くことがポイントです。
- 導入金融機関数
- 会員企業数
- 平均チャーンレート
それでは、ココペリの天国ケースと、地獄ケースの2つを見て、投資戦略を考えてみたいと思います。
天国ケースは中期経営計画に掲げている通り、売上高40億円、営業利益20%(8億)の達成です。
この場合、1株益は80円になると想定。
1株益80円の場合、PER8倍・15倍・40倍でそれぞれ下記のような株価になります。
- PER8倍:640円
- PER15倍:1,200円
- PER40倍:3,200円
ほぼ企業成長が無いという前提で、地獄ケースを作ってみました。
売上高26億円、営業利益4億円(営業利益率15%で計算)
この場合、1株益は40円になると想定
1株益40円の場合、PER8倍・15倍でそれぞれ下記のような株価になります。
- PER8倍:320円
- PER15倍:600円
その場合であってもPER8倍が付いて現状の株価の半値ですので、マイナスへの振れ幅よりもプラスへの振れ幅の方が現状の株価から見ても大きそうです。
投資は自己責任でお願いします!
まとめ
ココペリについてまとめてみました。
地方の金融機関を介して中小企業へ営業をかけている、まさにB to B to Bビジネスモデルを確立した会社です。
一旦地味に見えるビジネス展開ですが、事業を成長させていくための仕組みが整っています。
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