- インフレ時になぜ利上げをするのか?
- そもそもインフレって何!?
- インフレ率って理想の値ってあるの?
この記事は以上のような疑問を持たれている方の参考になると思います。
【結論】インフレ時に利上げを行う理由
インフレ時に利上げを行う理由は、過度な物価上昇を抑制して、経済を安定させるためです。
物価上昇とはモノやサービスの値段が上がってしまうことなので、過度なインフレは家計を苦しくさせ、消費を冷え込ませてしまいます。
消費が冷え込むと、経済が停滞してしまうので、不景気になってしまいます。
従って、景気の安定を図るために、過度な物価上昇の抑制目的で、金利を上げるのです。
これが物価上昇時に金利を上げる理由なのです。

インフレ基礎講座
インフレとはそもそも何!?について基礎的な部分を振り返りましょう。
インフレとは、インフレーションの略で私たちが普段買っているモノやサービスの値段(物価)が継続的に上がり続けることをいいます。
インフレは必ずしも悪いわけではなく、多少のインフレにより、経済は好循環を生み出しています。
ディマンド・プル・インフレ
好循環のインフレ(良いインフレ)を、ディマンド・プル・インフレといいます。
ディマンド・プル・インフレは、需要(購買力)が向上して、供給量を上回ることで起こるインフレです。
この場合は、企業の利益も向上するため、従業員や投資家にも利益が還元され、最終的にはインフレに家計が追い付くことが出来ます。
コスト・プッシュ・インフレ
悪循環のインフレ(悪いインフレ)を、コスト・プッシュ・インフレといいます。
コスト・プッシュ・インフレは、原材料などの製造コストの上昇により起こるインフレです。
この場合は、企業の利益は上がらず、従業員や投資家に利益を還元することが出来ないため、家計がインフレに追い付けないことが多いです。
いま全世界で起こっているインフレは”コスト・プッシュ・インフレ”です。
では具体的に金利を上げると物価上昇を抑制できるメカニズムについて解説して行きます。
図解で見て頂ければ簡単にイメージがつかめると思います。

簡単にいうと、金利を上げることにより物やサービスが売れにくい状況を作り、物価を強制的に抑制しようとしているのです。
したがって、金利上昇が行われると不景気になりやすくなります。
インフレが続くと預貯金が目減りするって知ってましたか?
インフレが続くと物価の値段が上がる反面、お金の価値が下がり続けます。
その結果、インフレ下で預貯金だけしていると資産は目減りし続けるので注意しましょう。
具体的にどれくらいの資産が減っていくのか計算したい方は下記計算式に当てはめてみてください。
元金×(1-インフレ率)経過年数
では、2%のインフレ率が進むと預貯金の100万円は5年後にどうなるでしょうか?実際に計算をしてみましょう。
100万円×(1-0.02%)⁵=903,921円
つまり、物価上昇率2%でも、5年後には約-10万円も資産は目減りしてしまうのです。
理想のインフレ率と、各国のインフレ状況
先進国の多くは理想のインフレ目標を2%としており、新興国だと5%くらいです(日本は2%)。
調べてみましたが先進国がインフレ目標を2%にしている正確な根拠は無さそうですが、物価の上昇と企業の成長、賃金の上昇という点で見た場合にインフレ目標2%はちょうど良い数字なのでしょう。
しかし、2022年9月時点は皆さんもご存じのように全世界で過度なインフレが進んでいます。
最新のインフレ率(物価上昇率:CPI)と、インフレ対策のために上げ始めた政策金利について下段にまとめました。
インフレ率 (対2021年) | 政策金利 (2021年) | 政策金利 (2022年) | 金利アップ率 | |
米国 | 8.3% | 0.25% | 3.00%~3.25% | +3.00% |
欧州 | 9.1% | 0.00% | 1.25% | +1.25% |
英国 | 9.9% | 0.01% | 2.25% | +2.24% |
中国 | 2.5% | 4.35% | 3.65% | -0.70% |
南ア | 7.6% | 3.50% | 6.25% | +2.75% |
スイス | 3.5% | -0.75% | 0.50% | +1.25% |
豪州 | 6.1% | 0.10% | 2.35% | +2.34% |
カナダ | 7.0% | 0.25% | 3.25% | +3.00% |
香港 | 1.9% | 0.86% | 2.75% | +1.89% |
日本 | 3.0% | -0.10% | -0.10% | 0.00% |
まとめ
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