テンバガー銘柄を探せ!

テンバガー銘柄候補を探せ!|i-plug(4177)を分析

株式投資家であれば誰もが手にしたいテンバガー銘柄。

ここではビジネスモデルが面白い、商品/サービスが特徴的など、将来的にテンバガー銘柄のように株価爆上げの可能性を秘めている銘柄をツカサの独断と偏見で紹介していきます。

今回はi-plug(4177)を紹介します。

ツカサ

投資は自己責任でお願いします!

【総評】i-plug(4177)

新卒ダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox」の開発・運営を手掛ける企業。

これまでの就職活動の仕組みを変えた面白いビジネスモデルです。

社長含めトップ3名がグロービス経営大学院でMBAを取得していることから、首脳陣は経営学の基礎はしっかり出来ていることが良く分かります。

決算説明会資料を読んでても、説明がとても分かりやすく、目標を達成する為のKPIもしっかり設計されているのはMBAを取得されている背景があると思います。

現サービス(OfferBox)だけでなく、市場をさらに拡大させていこうとしており、今後の成長がさらに期待出来そうな企業です。

ツカサの独断と偏見の企業評価

総合評価:17/20

社長:★★★★

市場性:★★★★

競合優位性:★★★★

独自性:★★★★★

会社概要

i-plug(4177)

  • 上場年月:2021年3月(会社設立2012年4月)
  • 本社:大阪府大阪市淀川区
  • 従業員数:連結205名、単体178名、平均年齢32.4歳、平均年収-万円
  • 監査法人:あずさ

事業内容

新卒ダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox」の開発・運営がメイン事業です。

直近では20代・30代向けのオファー型転職サイト「PaceBox」事業もスタートさせています(2022年8月4日より)。

i-plugの3つの事業

OfferBox

企業から学生に直接オファーを送ることができる新卒に特化したダイレクトリクルーティングサービス。

企業は「会いたい学生」の情報を検索して効率的にコンタクトを取ることが出来る。

i-plug企業ホームページ_事業内容参照

PaceBox

企業から求職者にオファーをする、ダイレクトリクルーティング型の転職サイト。

求職者にはキャリアアドバイザーが転職成功のために支援し、企業には採用アドバイザーが採用成功に向けて並走してくれる。

適性検査 eF-1G(エフワンジー)

新卒採用・中途採用から育成、配置、登用などの人材フローのあらゆる場面で一貫して活用されている適性検査

性格診断、能力テスト、豊富な測定項目から人材の特徴を的確に把握できる。

3つの事業のうち、売上の90%以上がOfferBoxです。

2025年までに売上高97.2億円営業利益19.8億円を掲げており、その為に新たな新規事業・M&Aに着手していこうとしています。

  • Offer Boxのさらなる成長
  • HRtech×People Analytics領域における新規事業投資の加速
  • エコシステム構築に向けた規律あるM&Aの実行

定性分析

外部環境(マーケット状況、競合など)

現在の主力事業であるOfferBoxの「新卒」市場は約800億円。

今後事業を拡大していく「PaceBox」の若手層(25~34歳)の転職市場を加えると、市場規模は約1740億円になります。

さらに下図に記載されているように、学びなおし市場3700億円規模の中で事業を成長させていく予定です。

i-plug(4177)_2022年3月期 通期決算説明会及び中期戦略説明会

転職市場の活発化や、リスキリングの推進という背景を考えると、市場の成長性という点から見ても面白いと思います。

ただ、競合も多い市場である為、競合優位性を今後どこまで維持できるかがポイントだと思います。

OfferBoxのビジネスモデル自体が他には無いので、現状は良いのですが今後の競合他社の動きには注意を払った方が良いかなと思います。

2022年卒の大卒民間就職希望者数450,000名のうち、OfferBox経由での決定人数のシェアは1.1%とまだまだOfferBoxにも伸びしろがありそうです。

i-plug(4177)_2022年3月期 決算説明資料

内部環境(経営者、ビジネス優位性など)

経営者

社長は中野 智哉さんという方です。

下記に中野社長のインタビュー記事が書かれているのですが、お一人で事業を立ち上げたわけではなく、グロービス経営大学院で出会った2人と事業を立ち上げたようです(現CFOの田中氏、現COOの直木氏)。

中野 智哉 氏 | OSAKA INNOVATION HUB (innovation-osaka.jp)

つまり、i-plugの今後の経営状態を見ていく上でも中野社長だけでなく、CFOの田中氏、COOの直木氏にも注目をした方が良いかなと思います。

トップ3人がグロービス経営大学院でMBAを取得していることから、利益を上げていく上でのKPIをしっかり押さえています(下記参照)。

i-plug(4177)_2022年3月期 決算説明資料

ビジネスを成功させるうえでKPIの設定は絶対的に重要です。

経営学を学んでいるトップ3名がいるi-plugの今後のビジネス成長は手堅いという事が想像出来るかなと思います。

ビジネス優位性

OfferBoxはこれまでの就活ビジネスに新たな風を吹かせた会社であり、既存の新卒リクルーティングの方法とは違います(具体的な違いは下図参照)。

i-plug(4177)_2022年3月期 通期決算説明会及び中期戦略説明会

一言でいうと、これまでは確率論で企業は新卒学生を採用していたが、OfferBoxを活用すると個別化採用が可能になります。

他のサービスとOfferBoxとの差別化は下記の通りで、特に学生の認知・興味がない部分を掘り起こせる可能性も秘めています。

i-plug(4177)_2022年3月期 決算説明資料

さらにOfferBoxで培ったノウハウをもとに、PaceBoxという20代・30代の転職市場でも同様の新しい風を吹かせていこうとしています。

ただ、先ほども記載した通り、競合が多い業界であり、模倣困難性がさほど高くないと思うので、ビジネス優位性をどこまで維持できるか?は注意が必要かなと思います。

先行者優位の状態を維持し続けることが大事であり、そのための先行投資に力を入れていることはとても賛成できます。

その他の評価ポイント

  • 個人投資家に対した丁寧なアプローチがされている(ホームページ、ダイレクトメール、説明会 など)
  • 社長だけでなく役員が全員顔出しをしており誠実さが伝わってくる
  • 将来の目標を定量的な数字で置いている(2025年売上高97.2億円・営業利益19.8億円)

定量分析

成長性

売上高は下記の通りかなり順調に推移しています。

マネックス証券_銘柄スカウター
ツカサ

i-plugは2025年に売上高97.2億円営業利益19.8億円の達成を目指しているよ

収益性

2023年3月期予想では営業利益が赤字になっていますが、その理由は中途採用支援の新事業立ち上げ(PaceBox)に約6億円を投資し、新卒支援(OfferBox)も営業人員増やし、広告宣伝費やシステム開発投資を積極化した事が原因です。

これは今後の企業成長のために必要な先行投資ですので、一時的な営業利益の赤字は気にしなくて良いと思います。

2025年に営業利益率20%を目指していると公言しているので、そこまでに高収益性の会社になれるか?がポイントです。

計算をしてみたのですが、現状の先行投資でだいぶ利益を圧縮しているので、投資額を減らせば簡単に営業利益率20%は達成出来そうです。

また、どれだけ効率的に利益を上げることが出来ているか?を見るための指標であるROEとROAを見てみるとかなり凄いです。

これだけ高い値を保てていると海外投資家からマネーが流入してくる可能性も十分あると思います。

  • ROE:19.6%
  • ROA:8.2%
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安全性

財務的な安全性に関しては問題なしです。

  • 自己資本比率:43.1%
  • 流動比率:199.3%
  • 固定比率:22.1%
  • D/Eレシオ:0.43%

程よく財務レバレッジも掛けているので、攻めの経営も出来ています。

このあたりの財務諸表の読み方について詳しく知りたい方はブログで紹介しているので読んでみてください。

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割安性

割安性の観点からはPERとPSRを見てみたいと思います。

  • PER:1株益がマイナスのため測定不能

   (24年予想では89.2円なので、いまの株価で計算するとPERは28.5倍)

  • PSR:1.6倍

上場してからのPERの平均は45倍~60倍であることや、マザーズに上場している会社という点で考えると、現状のPER・PSRは割安であると判断できます。

PER、PSRの定義についてもブログで紹介していますので、詳しく知りたい方は読んでみてください。

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理論株価

私の場合はDCF法を使った理論株価を求める手法を使っていますが、計算すると下記の通り導き出されます。

  • 4,147円

2022年8月12日時点の株価が2,500円ですので割安です。

投資戦略

今後i-plugの株価が上昇していくかどうかの判断としては、下記のKPIの推移を見て行くことがポイントです(+新規事業のPaceBoxの登録者数の推移)。

i-plug(4177)_2022年3月期 決算説明資料

それでは、i-plugの天国ケースと、地獄ケースの2つを見て、投資戦略を考えてみたいと思います。

天国ケース(2025年に売上高97.2億円、営業利益19.8億達成)

この場合、1株益は337円になると想定。

1株益337円の場合、PER8倍・15倍・40倍でそれぞれ下記のような株価になります。

  • PER8倍:2,696円
  • PER15倍:5,055円
  • PER40倍:13,480円

マザーズ銘柄なので、順調に行けばPER40倍(株価13,464円)は期待できそうです。

地獄ケース(OfferBOX成長鈍化、PaceBox事業軌道に乗らない)

売上高の現状維持もしくは微増(70億円で計算)、PERは8倍~15倍で想定

この場合、1株益は119円になると想定

1株益119円の場合、PER8倍・15倍でそれぞれ下記のような株価になります。

  • PER8倍:952円
  • PER15倍:1,785円

地獄ケースは確率的には少ないかなと思いますが、もう少し購入時のリスクを抑えたいというのではあれば株価が2,000円を切るようなタイミングで買っても良いかもしれません。

まとめ

i-plugについてまとめてみました。

新卒・中途市場に新たな風を吹かせ続けている大変面白い会社です。

経営ノウハウをしっかり持った経営陣で支えられており、今後の成長期待が持てる企業です。

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ツカサ

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