株式投資家であれば誰もが手にしたいテンバガー銘柄。
ここではビジネスモデルが面白い、商品/サービスが特徴的など、将来的にテンバガー銘柄のように株価爆上げの可能性を秘めている銘柄をツカサの独断と偏見で紹介していきます。
今回はグッドパッチ(7351)を紹介します。
投資は自己責任でお願いします!
【総評】グッドパッチ(7351)
『デザイン』を支援する事業を展開しており、上場企業の中でも唯一無二の会社となっています。
会社の独自性と、下記社長のメッセージに熱意を感じたので、グッドパッチを分析してみようと思いました。

グッドパッチはこれから市場を作って行くフェーズである為、直ぐに爆発的な成長が見込めないかもしれませんが、中長期的には大きな成長が期待出来る会社だと思いました。
総合評価:18/20
社長:★★★★
市場性:★★★★
競合優位性:★★★★★
独自性:★★★★★
会社概要
グッドパッチ(7351)
- 上場:2020年6月
- 設立:2011年9月
- 従業員:連262名、単-名(31.5歳)平均年収666万円
- 本社:東京都渋谷区
- 監査:トーマツ
事業内容
主に以下の2つの事業を展開しています。
- デザインパートナー事業
- デザインプラットフォーム事業

それぞれのサービスについて少し詳しく見て行きましょう。
デザインパートナー事業
Web/iOS/Android/IoTなどのプロダクト開発の戦略策定、コンセプト設計、UI/UXデザイン、開発までをワンストップで提供し、デザイン組織の構築支援も行う事業です。
ざっくり言うと顧客のビジネス課題に対して”デザイン”の力を使って、解決策を提供しています。
ただデザインの発注だけを請け負うのではなく、事業の最上流である戦略から一緒に考え伴走していくスタイルです。

これまで多くの企業とデザインパートナー契約を結んできていますが、特に注目すべきことは支援したスタートアップ企業のうち9社が上場を果たしているという点です。
まさにデザインの力で上場ストーリーを実現させています

ちなみに、Instagram・Airbnb・Twitter・YouTubeなど、世界をリードする企業の多くは設立時からデザイナーを抱えていたようです。
従って、これから日本でもますますデザイナーの重要性が高まっていく事が考えられます。
デザインパートナー事業は会社全体の売上規模の70%を占めています。
デザインプラットフォーム事業
下記、自社プロダクト・サービスを提供している事業になります。
- Goodpatch Anywhere
- ReDesigner
- Strap
- Prott
Goodpatch Anywhere
- プロジェクト型サービスで、顧客に対してデザイン支援を行うサービスを展開
- 請負契約ではなく、主に準委任契約で実施することが特徴
- フルリモート型で、固定費を抑えたビジネスモデル
ReDesigner
- デザイナー特化型のキャリア支援サービス
- 中途向け採用サービスは、採用成功に対して報酬が発生する成功報酬型の収益モデル
- 新卒向け採用サービスは、サービス利用会社に対する月額課金型モデル
Strap、Prott
Strap、Prottともに月額課金式のグッドパッチ独自の提供ツール
- Strap:リモートコラボレーションの可能性を広げるクラウドワークスペース。リアルタイムで図解やテキスト情報の共同編集が可能となり、個人とチームの作業・コミュニケーションの効率化を促進させる。
- Prott:アプリやサービスのアイディアを素早く形にし、チームでのコラボレーションを円滑にするプロトタイピングツール。
中期経営計画
今後の成長戦略についても調べてみました。
ビジネスを拡大していくために、デザインパートナー事業とデザインプラットフォーム事業ともに成長を目指しています(具体的な数字目標は見つけられず)。
ただし、直近ではかなり厳しい状況が続いているようで、成長戦略の方向転換を余儀なくされています。
- 従来型のプル型営業からプッシュ型営業へ変更
- 自動車向けVRデザインツールを需要縮小の影響で中止
- ドイツの子会社の解散
以上の厳しい状況をどうやって立て直し、成長路線に再度乗せることが出来るか?が株価上昇のもっとも重要な要素だと思います。
定性分析
外部環境(マーケット状況、競合など)
DXが進むにつれ、ますますデザインの需要は高まって行くことが予想されます。
グッドパッチの出している予想でも、デジタル関連コンサルや、UI/UX改善などを含む市場は2025年まで年間8%の成長を遂げるとしています。

市場規模は約4300億円あると推定されており、年間8%の成長率を考えると2025年には市場規模は6,300億円に膨らむと予測されています。
グッドパッチのような上場企業は無いので、ある意味独占的な市場の中で事業を拡大できるチャンスを持っているとも言えます。
内部環境(経営者、ビジネス優位性など)
経営者
社長は土屋 尚史さんという方です。
2006年に関西大学社会学部を中退され、その後複数社を経て2011年にサンフランシスコに渡米。
そして同年9月にグッドパッチを設立しています。
もともと起業家を夢見ていたわけでは無く、バイトをやっていた21歳の時に命に関わる大病を患い、自分の人生を見つめ直すようになったようです。
その後、たまたま出た大学の授業で起業家のケーススタディを学ぶ授業があり、そこで起業家になる決意が固まったようです。
ビジネス優位性
デザイン会社として初めて上場を果たした会社であり、他社との競合優位性は高いと言えます。
ただ、日本企業の認知レベルに課題があり、市場を作って行くフェーズであるというのが注意すべき点です。
従って、競合優位性は高いビジネスではあるが、爆発的に売上/利益が上がるか?という点は想像しにくいかなと思います。
また主軸となるデザインパートナー事業は1社1社とプロジェクトを動かしていくので、着実な成長は期待出来たとしても、売上の急拡大は期待できないかなと思います。
その他のポイント
- 社長含め、役員全員の顔写真と自己紹介が載っており、誠実さ及び自信を感じる
- 『デザイン』という全く新しい上場企業の面白さ
定量分析
成長性
売上高は下記の通り順調に推移しています。
毎年売上成長率が前年比20%前後と凄い成長率ですね。
ただし直近では獲得顧客数の伸びの鈍化と、ヨーロッパ市場(特にドイツ)の業績が悪化しているようなので、順調な伸びが継続出来るか?については注意が必要です。
直近の決算では前期比4.5%と売上の伸びが大きく鈍化してしまいました…

収益性
コスト構造上、収益性が出にくいビジネスモデルになっています。
事業を拡大していこうとした時に、どうしてもデザイナーの数が必要になってきて、事業の拡大に比例する形でコストも増加するため、収益性を確保するのは難しいかなと思います。
さらに、宣伝広告費などの先行投資を現状ほとんど行っていないので、いまの利益率が限界かなと思います(10%前後の営業利益率)。
どれだけ効率的に利益を上げることが出来ているか?を見るための指標であるROEとROAは高い値です。
高いROEとROAに加え、独自性の高いビジネスであるため海外投資家からのマネー流出を期待したいところです。
- ROE:18.65%
- ROA:13.21%

安全性
財務的には全く問題なしです。
- 自己資本比率:74.85%
- 流動比率:569%
- 固定比率:11.8%
- D/Eレシオ:0.13倍




割安性
割安性の観点からはPERとPSRを見てみたいと思います(2022年10月23日現在)。
- PER:42倍
- PSR:1.3倍
過去2年の平均PERは67~74倍なので、現在のPERは低いと言えます。
ただ、直近の成長率が大きく鈍化(売上前期比4%)しているので、過去と比べて割安であると簡単に判断出来ない状態になっているかなと思います。
PSRはグロース市場の中では割安な値です。
PER、PSRの定義についてもブログで紹介していますので、詳しく知りたい方は読んでみてください。


理論株価
私の場合はDCF法を使った理論株価を求める手法を使っていますが、計算すると下記の通り導き出されます。
- 1,212円(低く見積もっても900円くらいはありそう)
2022年10月24日時点の株価が664円ですので割安です。
投資戦略
今後グッドパッチの株価が上昇していくかどうかの判断としては、デザインパートナー事業が着実に成長して行く(獲得顧客数の推移)ことが前提で、加えてビジネスプラットフォーム事業の拡大が肝になってきます。
それでは、グッドパッチの天国ケースと、地獄ケースの2つを見て、投資戦略を考えてみたいと思います。
天国ケースは年率20%の成長が出来、2025年時点で売上高58億、営業利益14%(8億)の達成です。
この場合、1株益は81円になると想定。
1株益81円の場合、PER8倍・15倍・40倍でそれぞれ下記のような株価になります。
- PER8倍:648円
- PER15倍:1,215円
- PER40倍:3,240円
もし市場成長の8%よりも少し高い年率10%で成長できたと仮定すると、売上高は48億円、営業利益は6.8億円になります。
この場合、1株益は68円と想定。
1株益80円の場合、PER8倍・15倍・40倍でそれぞれ下記のような株価になります。
- PER8倍:544円
- PER15倍:1,020円
- PER40倍:2,720円
ほぼ企業成長が無いという前提で、地獄ケースを作ってみました。
売上高40億円、営業利益5.6億円(営業利益率10%で計算)
この場合、1株益は45円になると想定
1株益45円の場合、PER8倍・15倍でそれぞれ下記のような株価になります。
- PER8倍:360円
- PER15倍:675円
地獄ケースで、PER8倍が付いていまの株価の半値です。
それに比べ、プラス圏の余幅が大きいですので、どちらかというと下げよりも上げの確率の方が高いように思えます。
投資は自己責任でお願いします!
まとめ
グッドパッチについて調べてみました。
デザインで上場した初めての企業であり、新たな市場を開拓していく魅力的な部分も多くあります。
正直いまはかなり厳しい状態になっていると思いますが、経営状態がもとに戻れば株価は急上昇していく可能性が十分にあると思います。
あまり大きく投資は出来ないですが、早速打診買いをしてみました!
早速打診買いをしてみました!
ファンダメンタルズ分析が出来るようになりたいならここ!
ツカサが勉強している投資の学校です。
