- 投資スタイルが「中長期投資」の人
- 中長期投資をする上で何かを学びたいと思っている人
私が考える中長期投資で勝てる投資家になるためには、下記2つを学ぶことが重要だと思います。
- 会計・財務について
- マーケティングについて
会計・財務について
- 会社の健全性が分かり、倒産リスクから資産を守ることが出来る
- 会社の成長性や割安性を判断でき、勝てる確率が上がる
マーケティングについて
- 会社のビジネスモデルが理解出来る
- 数字(会計・財務など)では分からない会社の将来性が知れる
この記事では特に「マーケティング」に特化して、株式投資で企業分析をするポイントについて解説していきます。
本日のテーマはマーケティング手法の1つである「ファイブフォース分析」についてです。
【入門編】ファイブフォース分析とは?
今回紹介する株式投資×マーケティング手法は、ファイブフォース分析です。
ファイブフォース分析とは、下記5つの力を分析することで儲かりやすい業界なのか?儲かりにくい業界なのかを知る判断指標のことです。
- 新規参入の脅威
- 売り手の脅威
- 買い手の脅威
- 業界内の脅威
- 代替品の脅威
新規参入の脅威とは
業界に競合他社が新規参入しやすい状況なのかどうかを見ます。
規制や、参入するためのコストがかかるようであれば、新規参入のハードルが高く、規制もなく、コストも安価な場合は新規参入のハードルが低いと言えます。
売り手の脅威
売り手が寡占業界であるとか、売り手の製品・サービスの重要性が高いと売り手の脅威が高いと言えます。
逆に、売り手を選べる場合や、製品・サービスを簡単に切り替えることが出来る場合は売り手の脅威が低いと言えます。
買い手の脅威
買い手が容易に商品やサービスを切り替えることが出来るようであれば、買い手の脅威が高いと言えます。
逆に、買い手が容易に商品やサービスを切り替えることが出来ない場合は買い手の脅威が低いと言えます。
業界内の脅威
成長性が低い、同業他社が多い、差別化がしにくい業界であると、業界内の脅威が高いと言えます。
逆に成長性が高く、同業他社も少なく、差別化の出来る業界であれば業界内の脅威は低いと言えます。
代替品の脅威
容易に代替品に置き換えることが可能な商品やサービスであれば、代替品の脅威は高いと言えます。
逆に容易に代替品に置き換えることが出来ない商品やサービスであれば、代替品の脅威は低いと言えます。
代替品の脅威の場合は、イノベーションによって突如代替品が作り出されることもあり、こうなってしまうと、そもそもの企業存続の危機にも陥るくらいのダメージを被ってしまいます。

【実践】ファイブフォース分析を株式投資に活かす
では実例を用いてファイブフォース分析を実践してみたいと思います。
あまり細かくやり過ぎずにザックリで良いので、広い視野で業界/会社を見るためにファイブフォース分析を使ってみてくださいね。
実例①:コンビニ業界
新規参入の脅威:低い
24時間営業が出来る人材確保、幅広いラインナップを揃える店舗作り、既に大手コンビニエンスストアが大きなシェアを確保しているなど、新規参入脅威は比較的低い
売り手の脅威:低い
大手コンビニエンスストアはプライベートブランドを展開しており、売り手の影響は比較的受けにくく、売り手の脅威は低い
買い手の脅威:低い
現状はコンビニエンスストアよりも利便性が良くラインナップが揃っている競合はなく、消費者にとってコンビニエンスストアのブランドが確立出来ており、買い手の脅威は低い。
業界内の脅威:高い
セブンイレブン・ローソン・ファミリーマートなど、商品ラインナップや、サービスなどが似通っており、同業他社間の競争が激しい。出店場所も隣接しているなど、業界内の脅威は高い
代替品の脅威:低い
コンビニエンスストアに勝る利便性、ラインナップを揃えることが出来る代替企業は存在しない。もし仮に、ドラックストアなどがコンビニエンスストア同様のサービスを展開すると代替品の脅威は高まるが可能性は低いだろう。
実例➁:自動車業界
新規参入の脅威:低い
膨大な設備投資、技術者の育成、既存製品ブランドなどが確立している業界であり、新規参入ハードルは高く脅威は低い。
売り手の脅威:低い
自動車会社に材料などを作る下請け企業は依存している状態であり、売り手の脅威は低い。
買い手の脅威:高い
消費者は多種多様な自動車を選ぶ権利があり、買い手の脅威は高いと言える。
業界内の脅威:高い
トヨタ、ホンダ、日産、外車など競争ひしめく状態となっており、業界内の脅威は高い業界である。
代替品の脅威:中くらい
自動車以外に公共交通機関などが存在している。
田舎の場合は自動車が無いと生活出来ない場合もあり、代替品の脅威は低く、都会の場合は自動車が無くても公共交通機関を使えば何とかなる。
よって、都会の場合は代替品の脅威は高くなる。
ファイブフォース分析を行った後にやること
もっとも大事なことはファイブフォース分析を行った後にやる事です。
それは、投資する業界の「仮説」を立てることです。
例えば、コンビニの場合は、比較的既存プレーヤーが競争ひしめく中で成長路線を辿れるかがポイントで、複数社あるコンビニエンスストアの中で差別化が消費者に刺さるかどうか?
更にはこれから先、市場がどこまで成長出来るのか?今後の成長戦略を見てみようという具合です。
つまり、ファイブフォース分析から今後の業界や、投資したい企業の将来性を想像して仮説を立てることが大事なのです。
【補講】ファイブフォース分析をもっと勉強したいなら
実際に私が勉強をしているグロービスの動画サービスと、書籍の2種類を紹介します。
動画で勉強したい人向け
ビジネスを学べるオンライン動画サービス | グロービス学び放題 (globis.co.jp)
https://hodai.globis.co.jp/
活字で勉強したい人向け
まとめ
マーケティングを勉強すると株式投資が更に面白くなってきます。
また株式投資だけではなく、社内でも一目置かれる存在になるのでマーケティングを勉強することは一石二鳥で、得しかありません。
この機会にマーケティングを勉強してみませんか?