株式投資家であれば誰もが手にしたいテンバガー銘柄。
ここではビジネスモデルが面白い、商品/サービスが特徴的など、将来的にテンバガー銘柄のように株価爆上げの可能性を秘めている銘柄をツカサの独断と偏見で紹介していきます。
今回はドラフト(5070)を紹介します。
投資は自己責任でお願いします!
【総評】ドラフト(5070)
インテリア、プロダクト、建築の設計デザインを軸に、都市開発からブランディングまで幅広いデザイン領域を手掛けている会社です。
社長は世界的なデザイナーである山下泰樹氏であり、この点からも競合優位性の高い会社であると考えられます。
着実に成長を続けており、尚且つ、今後の伸びしろがありそうな企業でしたので、今回注目して分析してみました。
総合評価:16/20
社長:★★★★
市場性:★★★★
競合優位性:★★★★
独自性:★★★★
会社概要
ドラフト(5070)
- 上場:2020年3月
- 設立:2008年4月
- 従業員:連186名、単147名(31.7歳)平均年収526万円
- 本社:東京都渋谷区
- 監査:あずさ
事業内容
事業内容ですが、デザイン事業の単一セグメントになります。
デザインの対象は、インテリア・プロダクト・建築・都市開発が中心です。
デザインの会社と言えば、以前グッドパッチ(7351)を取り上げましたので、参考まで。

ドラフトと、グッドパッチでは、対象となるデザイン範囲が違います。
売上構成比ですが、下図の通りオフィスデザインが約6割を占めており、次いで、都市開発、商業施設となっています。
どのようなデザインを手掛けているのか、決算説明会資料から抜粋してきましたが、どれもオシャレですね。


今後の成長性を見る上でポイントとなるのが、受注案件の規模です。
下記が経時的な規模別売上高の推移ですが、1億円以上の大型案件が増えているのが特徴です。
平均だと3800万案件が多いらしいので、1億円案件を取れるかどうかはビジネスに大きなインパクトを与える上で重要です。
ただ、気になる点とすれば、売上がストック型ではなく、フロー型であるため、売上が積み上がっていくわけではなく、顧客状況に左右されながら、上下するリスクがある点です。

最近は受注獲得率が低下しており、2022年10月27日に業績予想の下方修正を発表しています。
課題となる受注獲得率を上げていくには、営業力強化が今後のポイントになってくると思います。
しかし、過去の決算説明会資料などを読んでも、営業力強化という記載が無いように見えるので、そこが少し気になります。
個人的には、素晴らしい世界的なデザイナーが社長だとしても、競合が多い業界ですので、営業力強化は必須だと考えます。
今後の成長戦略についても調べてみました。
下記の通り、2028年に売上高300億円(年成長率115~120%)を目標に成長して行くそうです。
このように、具体的な中期経営計画を数字で出してくれているのは好印象です。

今後の成長戦略の軸はオフィスデザインと都市開発です。
その中で、西日本エリアの強化と、海外展開に注目です。
定性分析
外部環境(マーケット状況、競合など)
世界のデザイン関連マーケットは2025年には約600兆円規模になると言われています。
その中で、建築デザイン・技術及び専門デザイン市場は200兆円くらいまで拡大するらしいです。
背景としてはデザインが経営/株価に与えるインパクトが数字として証明されてきており、デザインを取り入れようという企業が増えてきているという事です。

日本に置き換えた時にどうなのか?という点と、景気の波に左右される業界という点は気にしておく点ですが、成長はしていきそうな市場ではあります。
ただ、競合も複数社あり、簡単に勝てる業界ではないと思います。
しかし、競合優位性という点では社長の山下泰樹氏の存在は大きいと思いますし、競合と差別化していくための継続的な努力を行っていく会社の姿勢は見えます。
また、3Dデータを活用した高品質・高効率な設計プロセスも競合優位性という点では特徴的です。
競合他社の時価総額が300~1000億円レベルなので、今後成長したら時価総額500億円レベルには到達するかな?とは思ってしまいます。
そうなれば、株価も10倍です。
内部環境(経営者、ビジネス優位性など)
経営者
社長は山下 泰樹さんという方です。
決算説明会資料に、顔写真入りで経歴をまとめてくれていたのでそのまま貼り付けます。

イケメンで、しかも数々の賞を受賞されている世界的なデザイナーです。
おそらく職人気質な方なのかな?と思うので、経営的な面や、営業的な面をサポートしてくれる体制が組織として整っているのであれば、この会社はますます伸びていくだろうと思います。
山下氏が駆け出しのころ思っていた疑問がご自身の力と努力で実現できているところが格好良いですね。

ビジネス優位性
世界的なデザイナー山下泰樹氏がいることがビジネス優位性に繋がっていると思います。
もう1つは3Dデータを活用した、高品質・高効率な設計プロセスの提案を顧客に出来る点です。
ただ、競合他社と比べた時にマーケティングや営業に対して投資を行っている様に見えないので、そこが少し気になるポイントかなと思います。
その他の気になるポイント
- 社長含め、役員全員の顔写真と自己紹介が載っており、誠実さ及び自信を感じる
- ホームページはとても綺麗なのですが、IRサイトが見づらいのが弱点
- ホームページが英語メインであり、日本投資家が見にくい
定量分析
成長性
決算月を変更した事もあり、2020年12月期の売上は下がっていますが、それ以外は順調に推移しています。
しかし、2022年12月決算予想では対前期比3.8%と売上成長率にブレーキがかかってしまっています。

売上にブレーキがかかってしまっている背景としては、受注獲得率の低下が要因とのことです。
収益性
販管費のうち、広告宣伝費に15%ほど当てているので、もう少し現状の利益から上乗せは出来そうです。
ざっと計算すると10%以上の利益は確保できるコスト構造にはなっていると思います。
受注案件によっても収益性に違いが生じているので、高収益の設計デザインプロジェクトの獲得率を上げていくというのも収益性を高めるポイントになります。

どれだけ効率的に利益を上げることが出来ているか?を見るための指標であるROEとROAは高い値となっており、株主から得た資金を効率よく経営に活かせているというのが読み取れます。
- ROE:23.19%
- ROA:12.05%

安全性
財務的には全く問題なしです。
- 自己資本比率:51.4%
- 流動比率:189.7%
- 固定比率:51.0%
- D/Eレシオ:0.2倍




割安性
割安性の観点からはPERとPSRを見てみたいと思います(2022年11月3日現在)。
- PER:159倍
- PSR:0.49倍
過去2年の平均PERは67~74倍なので、現在のPERは高いと言えます。
もともとは22年12月予想のEPSが59.8とされていたのですが、10/27発表の業績下方修正に伴い、EPSが2.58になりました(この結果、PERが159倍に…)。
PSRは1倍を下回っているので割安水準だとは思います。
PER、PSRの定義についてもブログで紹介していますので、詳しく知りたい方は読んでみてください。


理論株価
私の場合はDCF法を使った理論株価を求める手法を使っていますが、計算すると下記の通り導き出されます。
- 1,416円(低く見積もっても900円くらいはありそう)
2022年11月3日時点の株価が410円ですので割安です。
投資戦略
今後ドラフトの株価が上昇していくかどうかの判断としては、高収益の1億円以上の大型案件の受注獲得率が上がっていくか?だと思います。
それでは、ドラフト天国ケースと、地獄ケースの2つを見て、投資戦略を考えてみたいと思います。
天国ケースは年率10~20%の成長が出来、2028年時点で売上高300億、営業利益10%(30億)の達成です。
この場合、1株益は210円になると想定。
1株益210円の場合、PER8倍・15倍・40倍でそれぞれ下記のような株価になります。
- PER8倍:1,680円
- PER15倍:3,150円
- PER40倍:8,400円
ほぼ企業成長が無いという前提で、地獄ケースを作ってみました。
売上高90億円、営業利益8.5億円(営業利益率9.4%で計算)
この場合、1株益は40円になると想定
1株益40円の場合、PER8倍・15倍でそれぞれ下記のような株価になります。
- PER8倍:476円
- PER15倍:893円
地獄ケースで、PER8倍が付いても現状の株価と同じです。
つまり、下落リスクと言っても、大きな下落は考えにくく、経営状況が回復してきた時の株価が上になる確率の方が高いと考えます。
いまの株価であれば、購入を検討してみても面白いかなと思います。
投資は自己責任でお願いします!
まとめ
ドラフトについて調べてみました。
西日本エリアの強化であったり、海外進出など成長意欲がありそうなので、いまの割安水準で打診買いをしてみました!
早速打診買いをしてみました!
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