会社の安全性を知るための指標として流動比率と、当座比率を求めるという方法があります。
両方とも短期債務の支払い能力を示す指標になります。
ザックリとしたイメージとして、当座比率の方が流動比率よりも厳しく安全性をジャッジしていいます。
詳細はのちほど分かりやすく解説してきますのでお楽しみに!
流動比率と当座比率の計算式や目安について教えて!
流動比率と当座比率の違いってなに?
当座資産って何を指しているの?
カブ太郎くん、任せて!
流動比率と当座比率について分かりやすく解説していくね!
僕が企業分析をする際に必ずチェックしている指標だよ。
安全性の指標|流動比率の意味、計算式、目安をわかりやすく解説
まずは流動比率から解説していきます。
流動比率は下記の計算式から求めることが出来ます。
流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100
流動資産とは1年以内に現金化出来る資産のことで、流動負債とは1年以内に返済義務のある負債のことです。
つまり流動比率のパーセンテージが大きければ大きいほど、短期債務(1年以内に返済義務のある負債)の返済能力に余裕があるということが読み取れます。
流動比率を見れば企業の短期債務に対する支払い能力が分かります。
目安としては150%以上あると安心です。
100%を下回っていると短期債務に対して返済能力がないということになりますので、最低でも100%は欲しいところです。
安全性の指標|当座比率の意味、計算式、目安をわかりやすく解説
次に当座比率について解説していきます。
当座比率は流動比率よりもさらに厳しく企業の短期債務に対する支払い能力を見た指標になります。
当座比率は下記の計算式から求めることが出来ます。
当座比率(%)=当座資産÷流動負債×100
ここで当座資産という言葉が出てきましたが、当座資産とは何でしょうか?
当座資産とはすぐにでも現金化出来るものを指しています。
当座資産に該当するものは下記のとおりです。
当座資産に該当するもの
- 現金及び、預金
- 売掛金
- 受取手形
- 有価証券
売掛金
取引先に対して代金の支払いを待ってあげている状態のこと
受取手形
売掛金同様に、取引先に対して代金の支払いを待ってあげている状態のことで、そのやり取りを手形で行っている
有価証券
ここでいう有価証券は投資目的に保有している有価証券のこと(子会社や関連会社の株式は固定資産に該当する)
こちらも目安としては流動比率同様に150%以上で、最低でも100%以上は欲しいところです。
流動比率200%以上、当座比率150%以上が理想形ですね。
【実践】流動比率/当座比率を自分で計算してみよう!
では実際に流動比率と、当座比率を自分の手で計算をしてみましょう。
すごく簡単だから一緒に計算してみましょう!
ではティーケーピー(3479)という貸会議室の会社を例にあげて一緒に計算してみましょう。
流動比率の計算方法
下記の有価証券報告書を参考に一緒に流動比率を計算してみましょう。
前連結会計年度(2020年2月29日)の流動比率
- 流動資産:16,847(百万円)
- 流動負債:20,171(百万円)
流動比率を求めるための計算式は下記の通りになります。
16,847÷20,171×100=83.52%
当連結会計年度(2021年2月28日)の流動比率
- 流動資産:21,373(百万円)
- 流動負債:26,955(百万円)
流動比率を求めるための計算式は下記の通りになります。
21,373÷26,955×100=79.29%

当座比率の計算方法
下記の有価証券報告書を参考に一緒に当座比率を計算してみましょう。
まず当座資産に該当する項目を探します。
この場合は現金及び預金と、売掛金が該当します。
貸倒引当金とは、もし貸しているところが貸し倒れした事を想定しているお金のことです。
そういった緊急性の高い資産ですので、当座資産から貸倒引当金は引いてあげる必要があります。
当座資産の計算式(前連結会計年度:2020年2月29日)
9,131(現金及び預金)+4,114(売掛金)-12(貸倒引当金)=13,233
当座資産の計算式(当連結会計年度:2021年2月28日)
15,195(現金及び預金)+3,318(売掛金)-17(貸倒引当金)=18,496
前連結会計年度(2020年2月29日)の流動比率
- 当座資産:13,233(百万円)
- 流動負債:20,171(百万円)
流動比率を求めるための計算式は下記の通りになります。
13,233÷20,171×100=65.60%
当連結会計年度(2021年2月28日)の流動比率
- 流動資産:18,496(百万円)
- 流動負債:26,955(百万円)
流動比率を求めるための計算式は下記の通りになります。
18,496÷26,955×100=68.62%

まとめ
流動比率と当座比率について解説してきました。
両方とも会社の安全性を知る上で大事な指標になってきます。
私は1つの企業へ投資したら中長期に保有することが多いです。
中長期の間で会社の倒産リスクを最小限に抑えたいので、流動比率と当座比率は企業分析の時に必ずチェックするようにしています。