投資したい会社が倒産しないか心配…
会社の安全性って何を指標に見れば良いの?
自己資本比率を見ればだいたい分かるよ!
自己資本比率は聞いたことあるよ。
ただ、自己資本比率をどう見れば良いか分からないんだけど…
オッケー!
今日は自己資本比率について初心者でも分かる内容で解説していくね!
【安全性の指標】自己資本比率とは?分かりやすく解説します
自己資本比率とは、会社の資産に対して純資産の割合が分かる指標です。
自己資本比率を見れば、会社の安全性が分かります。
この自己資本比率は貸借対照表をもとに計算することが出来ます。

貸借対照表とは、お金をどこから借りてきたのか?を右側の貸方(負債・純資産)で示し、借りてきたお金をどのように使ったのか?または保管しているのか?を左側の借方(資産)で示しています。
ちなみに、貸方の負債と純資産の違いです。
負債とは、銀行からの借り入れなどで他人資本と言われ返済義務がありますが、純資産は株主から集めた資金や利益剰余金などで返済義務がありません。
- 負債:返済義務がある資産
- 純資産:返済義務がない資産
つまり、純資産の割合が大きければ財務状況に余裕があり、負債の割合が多ければ財務状況に難がある可能性があると考えられます。
この会社の財務の安全性を見ることが出来る指標が自己資本比率なのです。
自己資本比率の調べ方
四季報で調べる
四季報オンラインに登録されている人であれば、自己資本比率が表示されていますので、簡単に調べることが出来ます。

証券会社のHPで調べる
証券会社のHPでも簡単に調べることが出来ます。
例えば楽天証券の場合は、銘柄を指定して「四季報」をクリックすれば自己資本比率を簡単に調べることが出来ます。

自分で計算する(貸借対照表を利用)
企業の有価証券報告書の貸借対照表を見て、自己資本比率を計算することが出来ます。

貸借対照表の赤枠で囲んでいるところが自己資本比率を導き出す上で重要な数値になります。
- 純資産の部(株主資本合計):1,866,954千円
- 負債純資産合計(資産合計):2,377,545千円
では計算をしてみましょう。
自己資本比率(%)を求める計算式は下記のとおりです。
自己資本比率(%)=純資産の部÷資産の部×100
上記の貸借対照表の場合では、純資産の部(株主資本合計)÷負債純資産合計×100です。
導かれた自己資本比率(%)は、78.5%(1,866,954千円÷2,377,545千円×100)です。
自己資本比率(%)を計算する際は、下記2項目は純資産から差し引いてください。
- 非支配株主持分:連結子会社の純資産のうち親会社が所有していない部分
- 新株予約権:将来的に株式を発行しようとしてる予約チケットのこと
上記の注意点を加味して、計算式を作成するとこんな感じで、この計算式が正式なものになります。
自己資本比率(%)
={純資産の部-(非支配株主持分+新株予約権)/資産の部}×100
【目安】自己資本比率は何%の会社が安全なの!?
業種によって自己資本比率の目安は変わってきますが、標準は40%くらいです。
ちなみに2019年の中小企業全体の平均は42.1%でした。
自己資本比率が50%を超えると優良企業と言われ、銀行からの融資も受けやすくなります。
私の場合はリスクの高い小型株投資をしているので、出来る限り財務の安全性は気にします。
よって、自己資本比率は安全圏の50%以上である会社を投資対象としています。
超優良企業 :70%超
優良企業 :50%以上
一般的な企業:30%~40%
心配な企業 :20%以下
危険な企業 :10%未満
自己資本比率の目安は業界で変わってきますので、気になる銘柄の自己資本比率をチェックする際は、同業他社と比較しましょう。
【比較】業界ごとの自己資本比率(低い/高い企業の特徴とは)
業界ごとに自己資本比率に違いがあるので、特徴や傾向についてチェックしておきましょう。
残念ながら東証33業種で自己資本比率の平均を調べることは出来ませんが、だいたいの業界平均の目安は下記2つのデータより調べることが出来ます。
- 経済産業省の商工業実態基本調査(中小企業の自己資本比率)を見る
- 財務相の財務総合政策研究所(法人企業統計調査)を見る
実際に資料を見てみましょう。


如何でしょうか?
ふだん皆さんが見られている東証33業種で綺麗に分かれていないので見難さはあるかもしれませんが、参考にはなるかと思います。
自己資本比率の低い業種の特徴とは
自己資本比率が低い業種の代表格としては金融業になります。
その理由としては、貸方(お金をどこから借りてきたのか?)の大半が預金で構成されているからです。
預金とはいずれ引き出されるので、返済義務のある負債となります。
ですので、金融業の場合は負債の割合がとても高く、1ケタ台の自己資本比率の会社がほとんどです。
自己資本比率の高い業種の特徴とは
情報・通信業は自己資本比率が高い業種の1つになるかと思います。
理由としては固定費が比較的かからない業種なので、銀行からの借入れをしなくてもビジネスがまわるのが特徴だと思います。
自己資本比率が低い=悪い会社ではない
決して自己資本比率が低いから悪い会社ではないということだけご理解ください。
例えば携帯会社で自己資本比率を比較してみるとこんな感じです。
- ソフトバンク(9434):11.8%
- 日本電信電話[ドコモ](9432):33.5%
- KDDI[au](9433):46.3%
如何でしょうか?ソフトバンクが一番自己資本比率が低いですが、投資できない悪い会社と位置付けてしまって大丈夫でしょうか?
ここが””自己資本比率が低い=悪い会社””であると簡単に位置付けてはいけない理由になります。
自己資本比率が低い会社は、他人資本を活用して会社を大きくしようとチャレンジしている可能性があります(財務レバレッジをかける)。
将来的に会社を大きく成長させるためには、株主資本や利益剰余金だけでは不可能な場合があるので、銀行などから借り入れを行っています。
財務レバレッジをかけるとは”てこの原理”を活用するということです。
しかし、借入れを行っても企業の売上高と利益が右肩上がりに推移していないと意味がありませんので、業績についても併せてチェックしていきましょう。
まとめ
会社の安全性を見る指標として自己資本比率を解説してきました。
大事なお金を使って投資するわけですので、安全性の高い企業に投資したいですよね。
そういった意味でも自己資本比率を正しく理解し、投資することが大事だと思います。